2018年11月15日木曜日

兼六園 山崎山の紅葉(2)、十月桜

前回の続きで、この「山崎山」の下にある岩の中から「辰巳用水」が園内に入ってくるところである。この岩のトンネルの中に流量を調整する装置があるらしい。またここの石組見ごたえがある。流れの中に「水分石」が置かれており、流れの幅全体に均等に流れるようになっている。左端に黒い石でできた小さな雪見灯篭風のものが置かれている。



















風流な木橋の下の曲水の水面に落ち葉が浮かんでいたが、もう少し経つと水面いっぱいに埋まるだろう。



















曲水の添景となっている細長い「蓮華寺型灯篭」は京都にある「蓮華寺」の前に立つ灯篭とよく似ている。段付きの屋根は茅葺のようで、定紋が彫られている。



















この山崎山下の苔地には、明治時代の初め、ドイツの鉱山技師デッケンが住んでいた異人館があったところである。その後は「勧業博物館」となり、明治の終わりごろに建物が撤去され、その跡地を苔地にした。
「霞が池」付近の観光客でいっぱいのところと違って、この景色は静かで落ち着いた癒しの雰囲気が感じられる。


































ここで、紅葉の仕組みを少し学んだので紹介する。
気温が下がってくると、枝と葉柄の間にコルク状の離層が形成され、水の供給は止まり落葉するという。
























この落葉する前の過程で、水分の流れが悪くなると、葉の中にあったでんぷんやタンパク質が減るために、葉緑素(クロロフィル)が分解する。この時、光合成で残されていた糖分がシャッターで仕切られるため移動できなくなり、葉の中で変化して「アントシアン」という赤い色素になるために赤く色づく。また、この色素が「カロチノイド」の場合は、黄色く色づく。

「紅葉が美しくなる条件」は
1.夜間の急激な冷え込み(寒暖の差が大きい)
2.日中の天気が良いこと(直射日光・・紫外線の強さ)
3.適度な雨や水分がある (乾燥しすぎると葉が紅葉する前に枯れてしまう)   
ことだという。

「千歳台」の曲水に架かっている「板橋」の近くには「十月桜」が咲いていた。4月と10月ごろと1年に2度咲き、今がちょうど秋の先初めである。春に比べてちょっと小ぶりだが、よく見ると八重で淡紅色をしている。これから厳しい時期に咲くので「寒桜」と呼ぶ人もいる。











































「板橋」を渡ったすぐ左には「フユザクラ」の木があるが、こちらは「十月桜」より少し遅れて咲くので、まだ小さなつぼみが付いていた。花は五弁の一重咲きで、色が白っぽい薄紅色だという。どちらも秋・冬と春に咲くので「四季桜」とも呼ばれている。