2020年2月26日水曜日

金澤の老舗百年展 21世紀美術館(1)

今回は、リニューアルされた21世紀美術館で「金澤の老舗百年展」をやっていたので、見に行った。「金澤老舗百年會」を立ち上げて35周年ということで開催したものだという。時代の流れが早い中で、金沢で三代、百年以上伝統を守りながら頑張っている店が勢ぞろいしているので興味があった。

















この中で。いくつかの店を紹介する。
1.池田大仏堂(安江町)創業嘉永3年 
国指定伝統工芸品の金沢仏壇を中心に、仏具、寺院用具、線香など多彩なものを取り扱っているという。加賀蒔絵による金沢仏壇や200代仏壇の障子の中央部に入る彫刻が並んでいた。













「金澤老舗繫盛記」より















2.石田漆器店(片町) 創業明治2年
輪島塗、山中塗、加賀蒔絵などから美術漆器などいろいろ揃えている。香林坊交差点の近くにある店で、以前店に入った時は、素晴らしい漆器が並んでいたのを覚えている。












「金澤老舗繫盛記」より














3.うつのみや (香林坊)創業12年(1879)
地域密着の書店として知性と情操を届けている。私が学生の頃、片町にあった店に教科書や参考書などを買いに来たことを覚えている。文房具や楽器なども販売していた懐かしい店だ。今は、柿木畠から東急109の地下に移っている。













「金澤老舗繫盛記」より














4.紙安(西念)創業享保2年(1717)
海の幸の宝庫金沢の食文化を次世代に伝える水産物仲卸であ
る。300年前かやっているというから近江町市場と一緒に育ったという店だ。今でもよく「紙安」と描かれた「軽トラ」をよく見かける。












「金澤老舗繫盛記」より











5.木倉や(尾張町)創業天正7年(1579)
まだ織田信長が活躍していたころからやっているというからすごい。藩政期には家柄町人で、加賀前田家の御用商人だったという。素材感を大切にした加賀友禅や天然本酒袋の小物などを揃えている。















「金澤老舗繫盛記」より

2020年2月22日土曜日

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(4)金澤町家スタジオ

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(3)の続きで、その後「金沢町屋スタジオ」に行った。ここは、戦後に建てられた、間口7間という大きな商家型高町屋だという。横の白い建物は、ここの主人が経営しているというゲストハウスである。



















去年(2019年)に、今後100年の維持に向け1階の能の稽古場を全面的の改修し、総ヒノキ造りの「金澤町家スタジオ」としてリニュアルオープンした。コンセプトは「日常から離れ”無”を直接に感ずる空間」だという。ここのご主人が「能楽小鼓」の先生で、講座を開いている。
























さすがの先生が打つ小鼓のよい音を聞いた後、参加者の勇気ある女性が二人出て、小鼓を打つ体験をした。最初は、うまく音が出なかったが、先生の指導によってだんだん音が出るようになった。
























その後、2階に上がるとすばらしい「群青の間」の座敷に案内された。壁に接触すると困るからということで、持ち物も1階に置いたまま入った。戦後まもないころ(?)に上級の武家屋敷を壊すということで、頂いたと言っていた。



















床の間の金色の掛け軸といい、欄間の透かし彫りや、障子の組子の模様も素晴らしい部屋である。




























また、その近くに茶室があったが、ここも洒落た部屋である。



















続いて、同じ町家に建物の横に入口がある寿司屋の「はた中」という店に入った。広々とした店内は、従来の寿司屋と一味違う店の雰囲気である。カウンターとこ上がりのテーブル席がある、以前はマレーシア(?)で寿司屋をやっていたという女性が握る店だ。



















最初に出てきたのが、カニやいくら、シラスが入ったちらし寿司である。あっさりした味でおいしかった。



















続いてにぎり寿司が三種出てきた。「トロ」と「アジ」と何だったか忘れたが、ご飯にしょうゆ味が付けられた、今までに食べたことがないようなお寿司だった。

2020年2月17日月曜日

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(3)アートショップ月映

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(2)の続きで、「カフェ安江町ジャルダン」の近くにある町家「アートショップ月映」に行った。ここは、明治時代に建てられた商業型町家で、1階の格子・腰石貼り、2階は黒漆喰塗の格子窓など紙谷漁網店を似ている。左奥には蔵を備えている。



















 ここは、現在は金沢美大や卯辰山工房出身の若手工芸作家のアート作品を取り扱っている。



















黄色の大きな器のような作品は「キンマ技法」というタイやミャンマーなどで開発されたもので、彫ってから黄色の顔料を塗って漆を何回も塗り固めるものだという。



















他にも、どんな材料のもので作られているか分からなかったが、面白い形状のものがいろいろ置かれていた。












奥の方に大きな蔵があり、レトロな茶箪笥などが置かれているだけで、2階もあり結構スペースが残っているようだ。



















その前には立派な庭があり、苔庭に飛石や灯篭がいくつもあった。



















灯篭の前に家紋(?)をかたどったような手水鉢があった。
























先日見た「ひょんの木」とは違う大きなこぶがいくつもある珍しい木もあった。

2020年2月11日火曜日

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(2)

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(1)の続きで、その後、大きな町家の「室谷製麺店」の建物を見た。ここは、大正2年創業の製麺会社で、1階の屋根が横に長い一方で、2階の格子や壁の形状が異なっている。あまりに長いので、通りの真向かいから一度にカメラで撮れなかったが、2棟の町家を1軒の外観に改修しているという。



















 ここも1階の庇の上に洒落た文様が入っている。これは金属か?



















店の前のウィンドーに「おそば」、「ひやむぎ」、「そうめん」や獅子の置物などが飾られていた。



















この辺りの広見の向かいあたりに、店と住居が直角に曲がっている面白い形の町家があった。懐かしい「オートモ」の学生服の店の看板が掛かっていた。



















1,2階とも瓦屋根の下に上面が金属板の庇が付いていた。



















ここも大きな町家だが、1階は玄関、壁、窓などは現代風に改造されているが、2階は格子窓や腕木、袖壁など町家の面影を残している。



















 ここは、築120年前の明治初期の町家をリノベーションした町屋で「カフェ安江町ジャルダン」の看板があった。奥は深くなっていて「金澤ななほしカレー」や「デザイン事務所」、「カフェ安江町ジャルダン」など5テナントが入っている。




























この建物は、昭和23年築の洋風建築で、外見からは見えないが内部は木造だという。印刷会社の工場・事務所として利用されていたという。



















ここの町家の建物の中を改修し、ギターのスクールなどをやっているという。壁なども防音効果を高めたものにしている。ここの主人はプロのギターリストで、県内外の演奏もやっているという。


2020年2月7日金曜日

金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)(1)紙谷漁網店

今回は、フードピア金沢2020の金沢町屋周遊ツアー(金沢駅界隈)に参加した。(2月2日)集合時間までに少し時間があったので「謎屋珈琲店」で一服して、集合場所の「笠市郵便局」に行った。ここは、以前このブログでも紹介している。



















「笠市郵便局」前でスタッフから今日の説明を聞いた後、その向かいにある「紙谷漁網店」を見た。藩政期から明治時代まで、この近くの浅野川に「堀川揚場」があり、漁船がよく来ていたので、この付近には「漁網店」が何軒かあったという。この店は明治21年築の高町屋で、昭和初期に改修されたという。黒瓦が多い金沢の町にあって赤い小松瓦は珍しいという。2階には縁取りされた黒漆喰塗格子窓が特徴になっている。



















1階の上の庇は2層になっていて、その間には細やかな文様が入っている。



















屋根の一端に、その漁網が架けられていた。
























中に入ると、大きな火袋(吹き抜け)や茶室もあるという。ここもようやく買い手が付き、現在は改修中で1階にはイタリアンレストラン、カフェや花屋などが入るという。




























奥には大きな蔵があった。



















続いて少し歩くと、玄関に白い暖簾が掛かり、2階には細かい格子窓になっている新しいホテルがあったが、この付近の古い町屋が多い街並みに合わせたのだろう。



















この町家は醤油、味噌、麹などを売っている店で、ガラス窓に漆喰の枠があり、後ろにも窓が付いていて、その上の方は紅殻色になっていた、

2020年2月3日月曜日

川端鮮魚店

今回は、久しぶりに学生時代の友人と片町へ飲みに行くことにした。待ち合わせ時間までに片町「きらら」を少しぶらついた。建物の前に「雪つり」が架けられた大きなツリーがイルミネーションで飾られていた。
























「きらら」の玄関前には、だれでも自由に弾けるピアノが置かれている。確か金沢駅の地下広場にもあるはずだ。横には大きなカフェがあり、多くの人が利用していた。建物の中の店には100円ショップなどもあり、普段使うものなどが売られていた。



















その後、連れのものがまた行きたいということで、5年以上前に行ったことがある「川端鮮魚店」に行った。ここはスクランブル交差点から中央通り側に曲がって1本目の小路の角の2階にある。



















玄関を入ると、プラスチックケースの水槽の中に生きた貝や魚がいるのだろう。



















店の中にも多くの木の箱が詰まれ、いかにも魚屋がやっているという雰囲気である。ちょっと昔風の居酒屋である。



















早速、ビールと「お造りの盛り合わせ」を頼んだ。結構大きな切り身の刺身がでてきた。新鮮な魚を前にして乾杯した。やはり産地直送だけの店で、新鮮な刺身であった。




















この店の何といっても特徴は、テーブルの上の七輪で、目の前で焼いて食べるというスタイルである。貝の盛り合わせを頼むと5,6種類の買いが出てきた。まずは、今が旬の大きなカキを焼いた。




















他に、「ハシダテ貝」、「ハマグリ」、「バイガイ」などを食べた。食べごろになると店員さんが来て、貝を開いてくれて味付けもしてくれるので、大変おいしかった。







































店の中は、5年以上前に来たときは人がいっぱいだったが、本日はすいていた。最近は観光客目当ての居酒屋も増えたので、以前より分散されたのか?



















トイレの前にはグロテスクな絵が描かれた暖簾が掛かっていた。