2014年11月26日水曜日

西町界隈(2) 甚右衛門坂 大谷廟所 金沢商工会議所 

前回に続いて、「尾崎神社」から「尾山神社」方向に歩いていくと、金沢城に上がる坂があるが、これは「甚右衛門坂」と呼ばれている。
天正8年に佐久間盛政が金沢御堂を攻めた際に、本願寺方の浪士の平野甚右衛門がこの坂で奮戦し、壮絶な討ち死にをしたことからその名が付いたという。
この辺りに、高山右近を頼ってきた内藤如安(じょあん)などのキリシタンが住んでいたといわれている。(高山右近は今の21世紀美術館辺りに住まいがあったらしい)
私が小学生の頃、ここで竹スキーで滑ったことを覚えているが、その頃には多くの同世代の子供たちが滑っていた。
そういえば、ごく最近、この辺りの茂みに熊が捕獲されたニュースがあった。金沢の町のど真ん中に熊が出没したと聞いてびっくりしたが、捕まってよかった。何しろ、これから観光客が多くなることだからということで、金沢市も急遽センサーなどを何箇所か取り付けたということだ。




















その先の向かいに「大谷廟所」があるが、ここは本願寺8代蓮如の父の7代存如上人の遺骨が安置され、金沢市内ほか全国の門徒宗の遺骨が納められている。もとは金沢城内にあったが、明治14年に金沢城跡に陸軍が入ったときに、ここに移築されたという。
高山右近がここらに南蛮寺を建てたといわれている。(公園下辺りにも建てた)
また、藩政期には、ここに大猷院(だいゆいん)仏殿(家光廟)が建てられ、「神護寺」といわれていた。




















この中に入ると、大きな木(何の木なのか?)と「手水舎」があったが、誰もいなくひっそりしていた。




















通りの向かい側には、最近建て替えられた「金沢商工会議所」の立派な建物がある。以前の建物は、私が会社に行っている時にここでいろいろな講座があり、何度か聞きに入ったことがある。
ここでは、経営にかかわる情報、創業支援活動、仕事にかかわる各種検定や講演、講座などをやっている。




















中の入ると職員の仕事風景が見え、ロビーも広々としていて、相談コーナーや喫茶コーナーもあった。特に私が興味があった「地域のパンフッレット」がたくさん置いてあり、金沢市内の観光地の情報や公共施設の催し物などを描いたものがあった。こういう所ももいろいろ活用できそうだ。





















2014年11月21日金曜日

西町界隈(1) 西町教育研修館  尾崎神社

前々回に続き、近江町市場の十間口を出て、西町方面に歩いた。
藩政期にこの通りの右側には「町会所」があり、左側には「西内総構堀」があったというが、今は全くその面影がない。ここは私の小学校、中学校の時の通学路だったが、その頃にあった店がわずかに残っていた。




















大通りを左に曲がると、すぐ近くに「西町教育研修館」がある。ここの建物は、以前「石川県繊維会館」と呼ばれ、地元の建築家で文化勲章を受章した谷口吉郎の設計した建物である。




















現在は、「金沢子ども科学財団」と「金沢大学サテライト・プラザ」が入っている。




















建物の奥に入ると、建てた当時からある「折鶴」のシャンデリアがある。辺りが暗かったが、じっと見ていると職員の人が気を利かせて電気をつけてくれた。




















左にある部屋に入ると「角間の里の裂き織グループ展」というものをやっていた。
古くなった布を細かく裂いて麻糸など共に織り上げた再生衣料で、女性ならではのかわいらしいものが並んでいた。




















その奥の部屋には金沢大学の紹介がされており、「公開講座」などのパンフレットなどが置いてあった。2階には「サテライト・プラザ講義室」がある。




















「西町教育研修館」の横にある趣のある古い建物は、茶室がある有名な「旧園邸・松向庵」で、以前入ったことがあるが、見ごたえのある部屋がいくつかあるが、本日は休業だったのでまたの機会に紹介したい。




















通りの突当たりに重要文化財の「尾崎神社」がある。ここは1643(寛永20)年に4代藩主の前田光高が金沢城の北の丸に東照大権現社として建立した。明治になって神仏分離により「尾崎神社」と改称され、金沢城が陸軍用地になって、現在地に移された。藩政期には、この地は「御算用場」であり、映画「武士の家計簿」に出てきたところだ。





















天照大神、光高の曽祖父の徳川家康と3代利常を祀ってある。
幕府の木原杢のじょうが設計し、加賀藩の大工の清水助九郎らが施工したという。朱塗りの社殿には徳川家の「葵の紋」があちこちにちりばめられていて、豪華な色彩と飾り金具で飾られ「北陸の東照宮」と呼ばれている。









































今回、中は見れなかったが、重要文化財となっている拝殿、幣殿、本殿、中門、透塀の概観を見ることができた。




















本殿の中にある彩色や大型の金銅花熨斗釘隠は、現存の京都二条城二の丸御殿の金具に匹敵するものといわれている。前田家がこの東照宮のために一流の職人を招いたことが分かるという。













「金沢城調査会 金沢城を探る」より






また、本殿を支える雲形の腰組は、他の建物では見れない金沢東照宮独特のものだという。










「金沢城調査会 金沢城を探る」より








拝殿、本殿などの隣にある「稲荷社」




















2014年11月16日日曜日

西茶屋街 華の宿

以前、西茶屋街へ行った時にコーヒーを飲みたいと思い入ったら「午前中で終わった」とそっけなく断れた茶屋の「華の宿」に今回は入ることができ、部屋の中を見ることができた。




















ここの主人はすぐに2階の部屋を見せてくれた。まず最高のおもてなしの人への「群青の間」には美しい「花車」の絵をあしらった加賀友禅の「花のれん」と狩野宗益作の絵を描いた掛け軸があった。




















また、美しい輪島塗のテーブルに向かい側にはバラやアヤメをなどをあしらった金屏風に三味線と鼓が置かれていた。この豪華なテーブルにお客さんが座り、豪華な金屏風の前で芸妓が舞を見せるのだろうか。








































その隣には紅殻色と緑色の壁の部屋があり、輪島塗のテーブルの前の床の間に鹿の角と思われるものが付いている珍しい冑が置いてあった。その横の緑色の壁は茶屋の部屋では始めて見た。





















その隣はやはり「紅殻色の間」であり、同じ輪島塗のテーブルの前にはきれいな九谷焼のお皿と山中漆器のお椀が並べられていた。





















そしてその横に「安宅の関」の弁慶と守護の富樫氏を描いた金屏風があった。



























見るもの全てが「加賀の伝統工芸品」の粋を極めたもので、よこぞここまで集めたと思う。
たまに夜にこの部屋を使って、「芸妓の舞」や「お座敷遊び」を体験するイベントをやっている様子の写真が飾られていた。




















1階の休憩所でコーヒをいただきながら奥を見ると、洒落た「坪庭」があり、その奥の部屋から灯りが見えた。




















コーヒーを飲みながら、ここのご主人にいろいろ話をしてもらった。、この建物は「にし」の茶屋街ができた当時からのもので、ご主人が20年ほど前に買いとって人に見せられるように改修したという。現在は家庭の事情で午前中だけ営業しているが、来月からは午後の3時半ごろまで営業するという。ご主人は横山町に住んでいて、ここまで通っていると言っていた。
これだけの、すばらしい部屋と伝統工芸の備品を持っているのだから、もっとうまく宣伝すれば多くの観光客を呼べるはずだ。
「ひがし」に比べて「にし」はまだ観光客が少なく寂れている感じがするが、「華の宿」が先導してぜひ観光客が多く来るように変えていってもらいたいものである。
そういえば、今年の11月末にこの西茶屋街にスペイン王室御用達の高級チョコの店が趣のある茶屋の建物を利用して出店すると聞いた。まだ他に2,3の店が出店する話があるらしい。
ちょうど私とご主人と話している時に、ここの町会の役員らしい人が来てその辺りの話をするようだったので遠慮して私は店を出た。ようやく「にし」も動き出すのであろうか?面白くなりそうだ。



















ちなみに、ここのコーヒーは300円、抹茶(菓子付き)500円と、他に比べて安い。

2014年11月12日水曜日

近江町市場 ズワイガニ解禁

ズワイガニが11月6日に解禁になったので、7日に売りはじめということで、近江町市場がどんな雰囲気なのか見に行った。午前11時ごろになったが、市場内は既に多くの人がいた。




















カニ汁が200円で振舞われていておいしそうだったので食べたかったが、長い行列ができていたので諦めた。








































早速、カニを売っている店がたくさんあり、「大口水産」や「大松水産」などを見て廻った。
「大口水産」の角のところに「香箱が二」(ズワイガニの雌)が山済みされており、お客さんが競争しあって必死になっておいしそうなものを選び出していた。
威勢のいい若い女性売り子の「さあ、うまいよ!!、安いよ!!」の声が聞こえ、活気があった。




















別のコーナでは、青いタグをつけた高い「加能ガニ」(ズワイガニの雄)が並んでいた。
ちなみに「加能ガニ」は石川県の船が捕獲したズワイガニのことを言い、「越前ガニ」は福井県、「松葉ガニ」は島根や鳥取県の船が捕獲したカニをいう。どれも同じズワイガニなので味は同じであるが、「加能ガニ」のブランド名は数年前に付けられたので、「越前ガニ」や「松葉ガニ」ほど名前が知られてないようであるが、大変おいしいので是非食べてほしいものである。




















「忠村水産」では鯛などの大きな、新鮮な魚が並んでいた。




















果物屋では、艶のよい柿やりんご、ぶどうなどが並んでいた。




















また、八百屋ではおいしそうな「マツタケ」や地元の「加賀野菜」15品目のうちの「つるまめ」、「春菊」、「金時草」、「源助だいこん」などが並んでいた。




















レンコン汁の「はす蒸し」は私の大好物であるが、今が旬の「加賀れんこん」も多く並んでいた。特に小坂・河北潟地区のものは、肉質が緻密で雪肌のように白いという。




















カニはもう少し経ってから買うつもりで来たが、たくさん並んでいるのを見ると食べたくなり、小ぶりで安めの「加能ガニ」1ぱいと「香箱ガ二」6はいを買ってしまった。




















また、珍味の試食を勧められて飲みたくなり、お酒のつまみに「アマエビ」と「イカ」の塩辛も買ってしまった。ちょっと買いすぎた。




















駐車場には、大阪や名古屋方面から来た大型バスが何台か並んでいた。「カニツアー」であろうか?




















ちなみに「加能ガニ」は3月、「香箱ガ二」は今年の12月までしか漁獲できないということだから早めに。

2014年11月9日日曜日

兼六園  雪吊 唐崎の松 霞が池

兼六園の中で一番立派な枝ぶりをほこる「唐崎の松」の雪吊が毎年11月1日にあるということで午前9時に見に行った。5本の芯柱が既に立っていて準備万端になっていたが、天気が悪く作業が危険ということで11月4日に変更になった。




















11月4日は別の用事があったので今年も雪吊の作業を見れなく残念だが仕方がない。
約800本の縄で枝を吊り、雪の重みで枝が折れるのを防ぐもので、兼六園の冬の風物詩となっている。庭師の一人が芯柱の天辺に立ち、熟練の技で縄をうまく下へ投げ、下にいる庭師がこれを受け取り、枝に結びつける。そして円錐状の形を作り、見た目も美しく、趣深い風情を醸しだす。




















「北国新聞」より





11月5日に見に行ったら既にきれいな円錐状の雪吊ができていた。この吊り方を「りんご吊り」という。他に「根上松」などに付けられる「幹吊り」などがある。





















「唐崎の松」は霞が池のすぐ上まで這うように伸びているので、ここは庭師が腰辺りまで池に入っての作業となる。




















「霞が池」は13代藩主斉泰の時代に造られたが、標高53mの高台にあって水が満たされている景観はすばらしい。池の周りには樹木が美しいので、ここでゆっくり池を眺めていてもあきない。
そういえば、去年、12年ぶりに池底の清掃と護岸工事が行われ、水が空っぽの「霞が池」をはじめて見ることができた。また、藩政期に「百間堀」に水があった頃に、非常事態があった時に堀の水を上げるための「水落とし」という仕掛けを見ることができた。



































(2013年7月28日撮影)





霞が池に浮かぶ大きな島は「蓬莱島」と呼ばれ、仙人が住むという不老長寿の島で、神仙島になぞられている。「唐崎の松」に向かって亀の頭をあらわす巨大な石があり、その反対側に尾のような石塔があるので「亀甲島」とも呼ばれている。「唐崎の松」は翼を広げている鶴の姿に見立て、島の亀、松の鶴と「めでたさ」を表しているという。




















「霞が池」に浮かぶように造られている杮葺(こけらぶき)の建物は「内橋亭」で、江戸時代には蓮地馬場の馬見所にあったものを明治の初期にここに移されてという。兼六園のシンボルの「ことじ灯篭」と「虹橋」、「霞が池」の借景となっている。
兼六園の開園記念日の毎年5月7日の1日だけ一般公開し、茶会を開いている。また、「霞が池」の夜景を見ながらのコンサートある時などは、ここで演奏している。




















「唐崎の松」の近くには曲水沿いに土橋の「月見橋」と赤松の袂に「月見灯篭」がある。ここから見る遠くに連なる山から出てきた月を眺めるのがもっと適しているからその名が付いたという。