2019年10月17日木曜日

北国下街道下口(3)やちや酒造

北国下街道下口(2)の続きで、さらに北国下街道を歩いていくと、右手に大きな町屋「やちや酒造」の店がある。間口が7間の2階建てで、屋根は切妻、桟瓦葺き、大戸の横に長い格子戸がある。玄関の上には「清酒 加賀鶴」の暖簾がかかり、酒屋のシンボルの「杉玉」がかかっている。



















 金沢でただ1軒残された土蔵造りの酒蔵で、前田利家公のお供をして尾張から移住してから、創業1628(寛永5)年で、前田家の藩御用達の酒造りを行っている。



















玄関の横には、「加賀鶴」の大吟醸や純米酒など多くのお酒が並んでいた。「加賀鶴」は藩主から送られたもので、百万石の銘酒と言われる所以である。店内に、ここの前会長が今の上皇が天皇時代の「園遊会」の参加や賞状を受けている写真なども飾ってあった。



















金沢の地酒として藩祖「前田利家」と所縁があるのでその名前の銘酒もあった。
























この店で有名なのは「前田家」所縁の「ひな飾り」があり、ひな祭りの季節になったらこの店内に飾られる。16代前田利為の菊子夫人が輿入れされた時に持ってこられ、その娘の酒井美意子さんに受け継がれ亡くなった後、ここの会長が譲り受けたという。その新聞記事が掲載されていた。



















店の奥には大きな古民家の「茶の間」が見え、板の間に囲炉裏、自在鉤、茶箪笥などレトロなものが置かれていた。
























囲炉裏の上は天井が高く、太い梁が張られていた。また中央に洒落た和紙(?)で作られらた灯りがぶら下がっていた。
























「加賀鶴」と書かれた額の下には、華やかな紋と花柄模様の「花嫁のれん」が飾られていた。



















青く染められた暖簾には梅鉢紋と加賀鶴の字が書かれていた。その上に「加賀鶴」と書かれた小さな酒桶(?)が掲げられていた。



















11月になったら能登杜氏四天王のひとりの山岸昭治杜氏が来られて仕込みが始まり、3月ごろまで行い、忙しい季節になるという。部屋にお酒ができるまでの工程が掲載されていたが、多くの工程があるので、さぞ大変な作業なのだろう。



















店の裏に酒蔵や酒造製造工場があるということで裏道を行ったが、工場の事務所の建物や塀で見ることはできなかった。