2019年5月31日金曜日

中村記念美術館 青の世界

「耕雲庵」の茶室を見た後、中村記念美術館に入ったが、ここは、これまで2,3回入ったことがあると思う。



















今回は、「BLUES~和の空間に見る青」というテーマで企画展が開かれている。美術品の中には数多くの”青い色”が散りばめられているが、青、藍、群青、紺青、青緑などのさまざまな語であらわされる青い色は、絵画では瑠璃(ラピスラズリ)や藍銅鉱(ラズライト)を原料とした絵具として用いられる。陶磁器や染織、漆芸などはそれぞれの技法で青い色を表現している。ここでは、その青をもつ作品を一堂に展示されている。



















展示品を見る前に喫茶室で庭園を見ながら抹茶を頂き一服した。





















展示品の一点一点にカメラ禁止のものとそうでないものが表示してあったので「カメラOK」のものについて紹介する。
瓢型の壺の全面に瑠璃釉をかけ、赤、金、銀を使い、藤、桐、桔梗を描いたもの
























淡い水色を背景に、見込みに黄色の虎と二頭の緑色の龍を、器側面にカラフルな牡丹唐草を有線七宝の技法で表した小さな水差しである。有線七宝は、金属のボディの上に、ガラス質の釉薬を盛り、高温で焼いて作る技法だという。




















六曲一双の画面の右から左に向かって、春夏秋冬の花木と鳥が描かれている。春は桜や石楠花、バラなど、夏は牡丹、杜若など、秋は芙蓉、菊、桔梗など、冬は山茶花、水仙など。四季を問わず常緑の松も描かれている。鳥は雉、鷺、鴛鴦などのつがいが戯れている。はっきりした色調で花や鳥などが描かれている。





















霧が払われて深山幽谷が眼前に姿を現した光景を描いている。青や緑の顔料を中心に描いた「青緑山水」で、筆者は明治、大正に活躍した「山田介堂」という南画家という。雲や霞を効果的に使った山水画を得意とした。
























赤い色釉をほとんど用いず、青や緑を主とする「青手」と呼ばれる「古九谷」である。




















文様の境界を細い線で盛り上げ、区切ることにより異なる釉薬を混じることを防ぐ「放花」という陶芸技法を使った作品。これは濃紺、水色、黄褐色の三彩で彩られ、深い彩色が重量感のある器体と調和している。



















赤、緑、青、紫の四彩の深く鮮やかな発色の古九谷独特の風格がある。青色は雲や稜線、岩肌、家の影など部分的で、空や水面は余白で表されている。