2017年12月20日水曜日

森八菓子本店 主計町「貴船」の弁当

今回は、大手町にある菓子屋「森八本店」で、金沢で超人気の主計町「貴船」の特性弁当を仲間と一緒に食べに行った。
森八は、菓子作りを始めて390年という老舗で、金沢の中でも最も有名な菓子店のひとつで、「ひがし茶屋街」にはいくつかの店を出している。
3代森下八左衛門が、藩主利常の創意により、小堀遠州の筆による「長生殿」の文字が浮き彫りになっている菓子を出した。
11代八左衛門の時に家柄町人地して「苗字帯刀」を許され「森下屋」から「森八」に改めたという。江戸時代から尾張町にあったが、近年大手町の方に移った。



















今日は、その建物の2階で「貴船」の弁当が頂けるということで、わくわくして入った。
2階の部屋からは、有名な武家の「寺島蔵人」邸の庭園が、目の前に見える場所である。
ここの庭園は、「ドウダンツツジ」で有名であるが、今は「雪吊」された木々のほかに、薦で包まれた灯篭など冬の風情があった。きれいな庭園を見ながら、おいしい食事ができる最高の場所である。


































3段に入ったケースから、料理が入ったお重が取り出され並べられた。
前菜には「ぶりの照り焼き」、「伝燈寺芋のくるみ田楽」、「梅貝」、「干柿チーズ」、「鴨ロース」など、お造りには「ぶり」と「甘エビ」そして小鉢に「揚げクワイ」、「タラの昆布ジメ」、「このわたなまこ」などがあった。普段食べられない北陸の高級食材が使われ、見た目も豪華そのものだった。


































さらに、「カニ御飯」と「カニ真丈と三つ葉しいたけ」のお吸い物
そして、最後にデザートとして「あんみつ」と抹茶が出てきた。どれもおいしく頂いた。



















周りを見ると、カウンター席の前に九谷焼の器が並べられている。

向かい側には「楽庵」という茶室とその向こうに小さな庭が見える。



















江戸から明治、大正、昭和、平成時代の「森八のあゆみ」について描かれていた。
江戸時代には、「金花糖」、「にらみ鯛」、「大鰤」などを金沢城に献上している。
また、明治天皇の石川県行幸の際、あるいは昭和天皇の「御大礼」の際に「長生殿」などを献上している。また、明治には「森下八左衛門」が金沢電気会社を設立していることなどが記されていた。



















その奥には「金沢菓子木型美術館」として、江戸時代から使われてきた菓子木型など数千点が展示されている。以前にここで木型を見たことがあるが、非常に精巧に彫られた木型は、必見の価値がある。



















おいしいものを食べ大満足した後、近江町の「いちば館」で、金沢城調査研究所の所長木越隆三さんの「加賀藩の改作奉行と改作法」についての講座を聞いた。



















この「改作法」によって、加賀藩のお米は安定的に入るようになり、財政が強化され「政治は一に加賀、二に土佐」と称されるようになった。
3代藩主利常が作った「改作法」について、3代利常のころと12代藩主斉広の150年の間にそのやり方が随分変わってきたことなどを詳細に説明してくれた。