2020年9月17日木曜日

大聖寺巡り(1)蘇梁館

 今回は、「ふるさとモット学び塾」の現地講座「大聖寺城と城下町の魅力を訪ねて」に参加し、いくつかを巡ったので紹介する。(9月2日)

まず、「蘇梁館」に行った。江戸末期から明治にかけて活躍し、北前船主の中でも最大の勢力を誇っていた久保彦兵衛の6代目は海を見下ろす小高い丘の上に豪勢な住宅を1841(天保11)年に建てたもので、離れには大乗寺藩主もたびたび訪れたという。そして、久保彦兵衛邸の主屋の部分がここに移築復元され「蘇梁館」となった。




















茶の間(10畳)とオエ(40畳)は床が板の間になっているが、天井の梁は、松材の巨木で直径70cm以上といわれ、推定樹齢200年以上であり、旧久保彦兵衛邸の梁として使用されている。
大乗寺藩有林の中でも特に松材は御林山、松山と称して松奉行を置き、巡視管理にあたった御用松材を大乗寺藩主から拝領したという破格の待遇を受けていたという。










































ナカノディ(寝間)の10畳と8畳の和室



















そこの違い棚の所に、明治時代の何代目かの久保彦兵衛(?)の写真と「船箪笥」が置かれていた。「船箪笥」は貴重なものが入れてあり、北前船で航海中に船が転覆しても浮いてきて中のものは大丈夫だという。



















床の間の横に「付書院」と呼ばれる縁側沿いに出窓のような部分に机や障子やその上には素晴らしい文様が入った障子(?)があった。



















庭園の一角に鉢前の手水鉢は水琴窟になっている。



















大きな雪見灯篭は菩提「蜂の巣」の名品である。



















側面側の庭は「日本海」と「北前船」を主題とした現代の枯山水で、積み荷を満杯に張った船を表し、さらに向こうには「船石の庭」と称し、日本海を公開する五隻の北前船を石組みで表現しているという。



















座敷はクチノディという10畳とナカノディ12.5畳の部屋は群青壁である。





























玄関前には高さ八尺という大きな春日灯篭は、通称「蜂の巣」の石材である。
























その近くに秋には紫の実をつけるという「ムラサキシキブ」があった。赤い実のつける木は多くあるが紫の実は珍しい。この美しい紫色の実を、源氏物語を書いた紫式部のの名前をかけて付けたものだ。