2015年9月14日月曜日

兼六園 茶店通り(江戸町通り) 桂坂 桜ヶ岡 

蓮池門の横の通りには、茶店がたくさん並んでいる。ほとんどが1階はお土産屋に、2階がお食事処になっており、金沢城の石川門や高石垣が眺められる景色のよい場所にある。おみやげは「金沢名産」の地酒や金箔を施した工芸品など数多くある。また、九谷焼の器など専門に売っている店もある。
この「茶店通り」は平成元年に茶店の改築にともなって、埋蔵文化財発掘調査をおこなったところ「江戸町」の遺構が確認されたという。「江戸町」とは、1601(慶長6)年に、後に3代藩主となった前田利常のところへ2代将軍徳川秀忠の娘珠姫(たまひめ)が輿入れ(嫁入り)したときに、江戸からお供してきた大勢の武士たちが、長屋を建てて移り住んだ町並みのことである。








































この日は、早朝の6時ごろのために人はほとんどいなかったが、この兼六園の「桂坂口」は金沢城の石川門につながった所で大勢の人でごった返す所だ。兼六園にはいくつかの入口があるが、ほとんどの観光客はここから兼六園に入る。




















料金所の前は、いつも行列になっているが、門の開くのが午前7時なので、この時間はひっそりしている。この時間は早朝散歩している人だけで、混雑していないので、のんびり見るにはうってつけだ。(蓮池門口、随身坂口は開いている)




















この「桂坂」は門の中の右側の崖際に桂の大木があることからその名前が付いているという。この桂の木は相当の古木のようであるが、春先に葉に先立って小さな赤紫色の花をつける。初夏の新緑、秋の黄葉も美しく、根元から次々と「ひこばえ」が生えてきている。




















この先は「桜ヶ岡」といって、4月上中旬には桜の花が一面に咲き競う場所である。ソメイヨシノをはじめ、コヒガン、エドヒガン、コシノヒガン、オオシマザクラ、サトザクラなどの花が咲き一面桜の園となる。
ここは、藩政期には田んぼで米を作っていて、藩が全国の稲の品種を撒き、どれがおいしいかを調べていたという。




















「桜ヶ岡」の右手の方に百間掘へ下りる坂があるが、これを「不老坂」という。ここの坂に藤棚があるが、この藤の旺盛な成長ぶりからその不老の樹木にあやかって名づけられたという。樹齢は高く、若葉の頃、花房がたわわに垂れるという。




















前回紹介した「蓮池門跡」の多きな石段を登ると正面に幅広い坂道が続く。この坂道を「松濤坂」(しょうとうざか)と言い、松籟(しょうらい)(まつかぜ)を濤(なみ)(大きな波)に例えて坂の名称を付けたと言われている。また、ある書物ではこの坂を表坂とも言い、蓮池門の正面にある坂と言う意味である。シイノキ、モミ、アカマツなどの大樹があり鬱蒼としている。




















石川門から「桂坂門」に上がらないでまっすぐ行くと、お食事処「さくら亭」や軽食の「白鳥」などの店が並んでいて、ランチ時は非常に繁盛している。




















ウィンドーに並べられたメニューを見ると金箔の入った「のどぐろうどん」、「鴨なんばんうどん」、「治
部煮とおさしみ」など郷土料理がたくさんあり、たいへんおいしそうだった。