2014年2月1日土曜日

武士の献立

加賀料理に関連した映画「武士の献立」は以前から絶対に見に行こうと思っていた。
12月初旬のころに、全国に先駆けて石川県の映画館で上映されていたが、そのころは人で一杯だと聞いていたので、少し時期をずらそうと思っていて、今回やっと見に行くことになった。
野々市にあるイオンシネマ御経塚の映画館に入ったが、平日でもあり、人がかなり少なくなっていた。




















この映画は加賀藩の料理人として仕える舟木家の家族についての物語である。料理書「ちから草」や「料理無言抄」を残した舟木伝内の息子安信と嫁に入った料理上手の「春」が主人公で、「料理侍」のほのぼのとした家族愛に満ちた映画であった。




















映画の中に私が知っている加賀料理の「かぼちゃのいとこ煮」、「じぶ煮」や「鯛の唐蒸」が出てきたし、歴史上では伝内が仕えた6代藩主の前田吉徳に目をかけられた大槻伝蔵が、その行動に不満を持つ家老の「前田土佐守直み」に五箇山に流刑され、伝蔵と仲のよかった吉徳の側室の「真如院」が毒殺事件の疑いをかけられたという「加賀騒動」などが出てきた。
息子の安信が剣術の方に興味があり、「包丁侍」を嫌っていたが、「春」の教えにだんだん「包丁侍」も立派な仕事と目覚めていく。


























そういえば安部首相が正月休みに母の勧めで「武士の献立」を見に行ったというニュースを見た。今、外交問題にゆれているが、武力の増強だけでなく「おもてなし」も大事だということを見せたかったのかと思ってしまった。

この映画の料理監修したという「大友楼」の大友佐俊さんの話をこの映画を見る前に聞いたが、武士料理は「饗応(きょうおう)料理」、すなわち大事なお客さんを料理で最高にもてなし、喜んでもらうことだと言っていた。




















また、最近「和食」が世界無形文化遺産になったが、「和食」といえば全国一般では「京料理」をまず頭に浮かぶらしいが、京都は海に遠く、また京都の懐石料理を代表するように、手の込んだ多品少量の料理である。金沢は海にも山にも近く、加賀料理は地産地消がモットーであり、食材が大変すばらしい。食材を生かした料理が中心で「一汁三菜」が基本であると言っていた。




















「和食」の世界無形文化遺産とこの映画をきっかけに、今後、さらに「加賀料理」のおいしさを全国いや全世界に広めていってもらいたいものである。


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