今回は。野田中学校のグランドの裏にある明治時代に建てられたという「若草教会」に行った。寺町の「野田中学校」裏のグランドの脇の道路を通って行った。
この付近の少しわかりにくいところに幼稚園が付随しているレトロな建物の「若草教会」がある。こちらの教会はカソリック系ではなくプロレスタント系の教会で、カソリック系の教会は、長町にある「金沢聖霊修道院聖堂に見られるような尖塔や彫刻、ステンドグラス窓など華麗な建物が多いが、プロテスタント系は、それとは違い無装飾で質素な建物であるという。この教会もそれに属する建物である。この建物は、現在は若草町に位置するが、もともと旧石浦町(今の香林坊1丁目)のアトリオの裏の隣辺りに、1891(明治24)年旧ウィン館の設計者のトーマス・ウィンによって建てられたという。建物は木造平屋建てで、急勾配の背の高い切妻屋根で、垂直を強調したゴシックスタイルである。
妻側に少し装飾が見られ、三角屋根の頂部ににゴシック風の妻飾りと十字架が付いており、その下に丸窓がある。外壁は下見板張りペンキ塗り仕上げとなっている。
内部は、金沢聖霊修道院聖堂と随分違ってプロテスタンの礼拝堂らしく装飾的なものは一切なく質素な感じである。
天井はこの建物のもっとも特徴的なところで、吹き抜けに空間になっており、登り梁に水平なはさみ梁を渡し、さらにタイ・バー(部材と部材を引っ張って結びつける鉄棒)を組み合わせたビクトリアン・ゴシックの小屋組みと呼ばれるもので、イギリスのビクトリア朝によく使われたものが再現されている。
礼拝堂の横に会議机や関連資料などが置かれた部屋がある。