2014年12月16日火曜日

石川県伝統産業工芸館(2)加賀友禅 加賀縫 金沢漆器 加賀象嵌 金沢仏壇 

石川県伝統産業工芸館の2階には第1展示室が「衣・食・住」に関わるもの、第2展示室工芸品には「祈・遊・音・祭」に関わる36業種の展示されていた。
全国的に有名な金箔、九谷焼、加賀友禅、輪島塗のほか、いろいろな石川県の伝統工芸品が見ることができる。




















まず、「加賀友禅」は「加賀五彩」といわれる、えんび・藍・黄土・草・古代紫などの色を基調として描かれる花や植物、風景などの自然をモチーフにした写実的なデザインにあり、武家風の落ち着いた気品があるといわれている。作業工程は京友禅ほど分業化がなされていないので量産には不向きであるが、反面一貫性のある製作ができるため、作家独自の個性が発揮され、友禅流しで仕上げられる本染めの味わいが大きな特色であるという。そういえば、最近「兼六園」や「ひがし茶屋街」に行くと友禅の着物を来た観光客が闊歩する姿をよく見かける。




















「加賀縫」は、江戸時代に加賀友禅の加飾などに使われて発展したが、明治以降は洋風の飾り刺繍などが行われた。模様が生地の表裏とも同じであるため糸切れなどの補修が容易であることや、肉入れ刺繍やボカシなど立体感のある技法から生まれる豪華で繊細な表現にある。一針一針丹精する加賀縫は金糸、銀糸などを多用しながらも気品にあふれている。








































「手捺染型彫刻」は友禅や小紋の柄や紋様を染めるための型紙彫刻である。薄い楮和紙(美濃和紙など)を縦横に柿渋で張り合わせた紙を切り抜いていくもので、その技法は半円形の小錐を使う錐彫や、正方形や星型などの文様に合わせた道具を使う道具彫りなどがあり、精微な文様を彫り上げていく。家紋をつけた羽織袴やのれんなどはこの型紙を使ったものなのだろう。




















「金沢漆器」は寛永年間(1630年ごろ)桃山文化を代表する高台寺蒔絵の巨匠、五十嵐道甫が藩の指導者として招かれ、その技法を伝えたことによる。
一品物の美術工芸品といった趣が強く、調度品や茶道具が主に作られている。蒔絵は丸粉仕立てを主に、熟練を要する高蒔絵や繊細な技法による肉合研出蒔絵など「加賀蒔絵」として知られている。
最近は、茶屋街の公開されている部屋の座敷に「加賀蒔絵」のテーブルなどが展示されている。




















「加賀象嵌」は藩政期初期に京都から招かれた金工の後藤琢乗が装剣技術を開発したのが期限とされる。「加賀象嵌」は平象嵌の技法を特徴とし、金属の面に0.1~0.2ミリの深さに掘り下げ、底部を広げる。次いで紋様に別の色の金属をはめ込み、上から槌とタガネで打ちならす。打ち込んだ紋金がアリの部分に伸び広がり、いかなる振動があっても抜け落ちないように固定される。
この金属をほることを「彫金」という。ここには文鎮や帯止めなどが展示されていた。




















「蒔絵」は素材(木材など)に漆や金粉を載せる。「沈金」は金属を彫り、その彫ったところに漆や金箔などを入れる。




















石川県は仏壇の産地として有名で、金沢、美川、七尾の3地区がある。これは北陸の布教に尽力した蓮如上人による浄土真宗に始まる。一向一揆により「百姓の持ちたる国」として百年に渡る道場での信仰から仏壇は欠かせないものとなった。
仏壇作りは、細工所の流れをくむ木地師、塗師、蒔絵師、彫刻師、金具師などの分業体制で作られる。
「金沢仏壇」の特色は加賀蒔絵の伝統を受け継いだ美しさと、渋い上品さにある。木地は耐久性を重視し、骨組みはアオモリヒバ、板物は銀杏などが使われ、堅牢な仕上げとなっている。さらに蒔絵に施された象牙や青貝の象嵌、金箔を十分に使ったきらびやかな加飾は、藩政期以来の伝統工芸の集大成である。


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