2021年5月26日水曜日

小原古邨展(1)

今回は、石川県歴史博物館で「小原古邨展」をやっていたので、見に行った(5月10日)。この人は今まで全く知らなかったが、家のものが見たいと言っていたので、この人のことをいろいろ知るにしたがって私も見に行きたくなった。






































金沢出身の絵師・小原古邨は明治20年の生まれで、身近な自然が見せる一瞬の美をとらえた作品で、制作当時から海外で高い人気を誇り、最近ようやく国内でも注目を浴びているという。
























世界を魅了した小原古邨の花鳥版画の展示は金沢で初公開という。ワクワクして2階の特別展の部屋に入った。この展示は、浮世絵蒐集家・原安二郎(1884~1982)のコレクションにかかる明治期の作品に加え、安二郎の子孫が大切に保管されてきた大正・昭和期の作品も多いという。



















ここからはカメラ禁止なので、ポスター・はがき、その他の写したもので、私の気に入ったものを何点か紹介する。
まず目についたのは、スイスの高級時計メーカのフィリプスが2019年に腕時計の文字盤に「小原古邨」の木版画をもとにデザインしたものを売り出すと、即座に完売し一躍クローズアップされたという。華やかな花と躍動的な鳥が生き生きと描かれている古邨の作品はヨーロッパで特に人気があったという。


















「波に燕」は、波の紺、濃藍、白など色も複雑である。燕の紫燕、燕の羽の色なども複雑である。それよりも飛んでいる燕の姿がいかにもリアルに飛んでいる姿が素晴らしい。
























「桜とみみずく」も羽を広げたみみずくの躍動感が目を見張る。みみずくの複雑な羽の色や目を見ても生き生きと描かれている。




















「蓮に雀」は、蓮の花弁が開き始めた早朝、その茎に小雀が舞い降りた。夜露をためた葉が、小雀の重みに耐えきれずにこぼれ落ち、水音を響かせる。この現物の絵は花弁がこんもり立体感があり、雀もリアルである。




















「竹と雀」はポスターにもなっているが、顔をのぞかせた雀と目が合った瞬間に、雀と同じ空間にいるような気持になる。地面や竹の上部に施されたぼかしとグラデーションが、画面に一層の奥行と高さを生み出している。




















「雪中の鷹」は雪が積もっている枝に鋭い爪をもった鷹がどっしり留まっている。
























歴史博物館のガラス張りの休憩室で、自販機のパンとコーヒで一服した。このガラスに今回の特別展の「小原古邨」の絵が貼られていた。「鉢の中の金魚と猫」



















「紫陽花と雀」