2022年2月25日金曜日

2022 大雪後の長町武家屋敷跡の風景(1)

 今回は、早朝3時間に20cm降り「顕著な大雪」という表現だった日は、午前中雪かきに追われ、午後に「長町武家屋敷跡」を歩いた。(2月22日)

コロナの万延防止重点措置により、ほとんど観光客はいなかった。

「前田土佐の守家資料館」付近



















「大野庄用水」の縁に連なっている石のブロックの上にもこんもり雪が積もっている。




















「大野庄用水」から武家屋敷内の庭園の池へ曲水として流れる入り口と出口



















用水沿いの土塀下の石垣から出ている大木



















長町武家屋敷跡の一番見どころの土塀がずらりと並んでいる所は、融雪装置が付いていて雪が全くない。



















橋の上は融雪装置がないので、人が雪かきを一生懸命に行っている。



















木羽葺き屋根には30㎝以上積もっているが、「薦がけ」はしっかりと付いている。
























「大屋家」の瓦屋根から出ている立派な松
























高下駄の歯にはさまった雪を落とすための「ごっぽ石」
























「鞍月用水」沿いの「せせらぎ通り」



















用水横に咲いていた椿



















「鞍月用水」に架かる「右衛門橋」の欄干にもこんもり雪が積もっている。



















この橋を渡ると、この用水が「西外惣構堀」であったことの案内板がある。













2022年2月20日日曜日

野菜古民家

今回は、以前行っていた会社の先輩に誘われて入ったことがある南塚町にある「 野菜古民家」にランチを食べに行った。ここは、築100年位のアズマダチの立派な農家だったようだ。屋根下の三角形の部分には、漆喰の上に明取の格子のついた窓がある。また、その建物の横には大きな蔵が付いていた。


































中に入ると、部分的に食事処に改修されているが、大元の柱や梁、壁などはそのままのようだ。庭が眺められるカウンター席と、奥側の座敷とその手前にはテーブル席がある。



















玄関の左側には、当時のままの蔵へ入る大きな鉄製の扉があった。



















我々は、紅殻色の壁を持った座敷に案内された。床の間の横の障子の桟の文様は素晴らしい。
ただすばらしい床の間には、洒落た掛け軸や花などが置かれていればなおよかったが。



















鴨居の上にかかった「欄間額」(?)は、金箔地に書が描かれたものは何が描かれているかわからなかったが、先輩は言うには謂れのあるものらしい。



















ここで日替りランチを頼むと、ここで獲れた新鮮な野菜たっぷりに鶏肉の塩麴焼きと能登豚の生姜焼きそしてもう一つは豆腐のコロッケに野菜など付いたものであった。

































食後のコーヒーと「ぜんざい」で、九谷焼のコーヒカップ



















こちらは、ケーキとコーヒカップには「紫陽花」があしらわれていた。



















縁側から庭を見ると、木々や植栽の中に春日灯篭や雪見灯篭などいくつかの種類の灯篭が置かれていた。



















そして飛び石があり手水鉢も置かれて、雪が被った庭は趣はあった。



















店内には手作りのアクセサリーなど小物品が販売されていた。他に「はちみつ」や「カレー粉」、「スパイス」なども売られていた。















2022年2月15日火曜日

昔のあかり くらしの博物館(2)

 昔のあかり くらしの博物館(1)の続きで、さらに「昔のあかり」展を見る。

1879年頃からエジソンが実用化した「白熱電球」が使われるようになり、日本には1885(明治15)年に輸入され、明治23年には生産が始まり、明治30年頃から室内に電灯が使われるようになったという。さらに1938(昭和13)年にアメリカで蛍光灯が発明され、日本では東京芝浦電気が1940(昭和15)年に完成し、1955(昭和30)年頃から広く使われるようになったという。




















電灯の二股ソケットは、私の小さいころに裸電球として部屋にあったのを覚えているので懐かしい。スイッチで明るさを切り替えられるようひもが付いていた。



















昔は天井などに陶磁器のガイシを使って電線を付けていたが、戦後には壁に埋め込まるようになり使われなくなった。しかし外にある電柱の上の方に昔よく見かけたものだ。子供のころに下に落ちたガイシの中の黄色の硫黄を燃やすと青色の炎が出て面白がっていたのを思い出す。
























電灯から「電気スタンド」や「懐中電灯」など用途に応じて、様々の形のものが出てきた。



















九谷焼の壺に照明が組み込まれた和風の部屋にあうオシャレなもの
























前面にやわらかい光を、背面の天井に光と影の花模様を映すデザインの灯火器



















金沢の正月のお菓子が展示されていた。「福梅」は江戸時代から前田家の家紋「剣梅鉢」を模って作られた粒あん入りの最中で、今でも正月のお菓子の代表的なものである。「福徳」は、正月用の縁起菓子で、ぱっと二つに割ると中から土人形や金花糖の人形などが出てくる。福寿草の形の「辻占」の中には、占いの文句が描かれた紙が入っている。



















子供のころに何度かやったことがある「旗源平」が置かれていた。これも昔から金沢にあった伝統的な玩具で、二つのサイコロの目で旗を取り合う戦争ごっこである。「1と5」が出ると「ウメガイチ 中旗1本」と仲間で言い合ったのを覚えている。


















「天神堂」のミニチュアで、男児の成長を願い正月に床の間に飾ったという。


















「初夢枕紙」は、枕の下に敷いて寝ると、良い初夢が見られるとして、大正時代のころまで神社で配られたという。


















その他に金沢の玩具として。「獅子頭」、「加賀八幡起上がり」、「加賀てまり」「加賀魔除け虎」や「花はじき」などがある。














2022年2月10日木曜日

昔のあかり くらしの博物館(1)

 今回は、飛梅町にある「くらしの博物館」で、「昔のあかり」の企画展があったので見に行った。ここの建物は、このブログでも紹介しているが、明治時代に建てられた「旧第二中学校」で、「 三尖塔校舎」の愛称で親しまれてきた。当時の姿をよく残していることで平成29年に国重要文化財に指定された。





















































まずは居酒屋でよく見る「やきとり提灯」(赤提灯)に昭和天皇の御大礼など奉祝行事に使われたという「奉祝提灯」や下の左にある明かりがついていないのは近江町の市姫神社の大黒祭りの時に家の前に立てられた「祭礼行灯」、そして下側の右は「ぼんぼり(雪洞)」は雪の洞穴に見立てたことからぼんぼりの名が付いたという。













古くから植物の油は明かりに使われ、江戸時代には菜種油が使われた。高い場所に置き、風で消えないように紙で覆われているものを「行灯」といわれる。上部の写真は「有明行灯」で、黒い箱の側面に満月、半月、三日月の穴があり、どちらを向けるかで明るさを調節できる。




















小型の灯明皿で、灯篭の中にいれたという「たんころ」があった。
そういえば「辰巳用水」の隧道を掘るときのあかりのために使ったのも「たんころ」と言っていたことを思い出す。



















現在はろうそくが日常的に使われるが、江戸時代は高価なもので、お祭りなど特別な時に使ったという。
和ろうそくと洋ろうそくでは材料と芯が大きく違い、様々の大きさがあり燃やす時間などで選んだという。ろうそく立てもさまざまのものがあり、「手蜀」や「燭台」も用途によって様々な形状がある。



















ガラスのあかりとして「ランプ」があり、石油を使う。本体の下に石油(灯油)を入れ、木綿の平芯を歯車で口金から上下させ火を灯す。石油はススが出るので、ガラスのホヤの内側が黒くなる。これを子供が毎日掃除したという。テーブルの上に置くタイプや天井から吊り下げるタイプなどがある。






































「カンテラ」はポルトガル語のカンデヤ、オランダ語のカンデラールが語源とされ、江戸時代は植物油を、明治時代からは石油を使った。ガラス板を使う四角い形が特徴で、携帯用として鉱山のトンネルの作業や夜の見回りなどに使われた。
























マッチは明治の初めにフランスに行った金沢の清水誠が日本で初めて国産化した。マッチ箱は喫茶店や食べ物屋などで配られたものだが、私も昭和40年代ころに集めたことがある。



















カーバイド(炭化カルシューム)に水を加えるとアセチレンガスが発生し、燃やすと高温の強い光を出す。下にカーバイドを入れ、上部のタンクに入れた水を少しづつ落としてガスを出す仕組みである。携帯用で夜釣りなどの使われた。