2023年4月28日金曜日

勝興寺 瑞龍寺見学ツアー(3)瑞龍寺①

 勝興寺 瑞龍寺見学ツアー(2)金屋町の続きで、その後、国宝の建物がある「瑞龍寺」に行った。ここには、私は十数年前に家族や親せきの人たちと来ているが、その時はすごい寺院だなあと思って見ていただけで、しっかり覚えていない。

ここは、曹洞宗高岡山瑞龍寺は加賀藩2代藩主前田利長公の菩提を弔うため3代藩主利常公によって建てられた。

利長公は高岡に築城し、この地で亡くなったが、加賀百万石を譲られた義弟利常は、利常公は深くその恩を感じ、時の名匠山上善右衛門をして七堂伽藍を完備し開山された。

造営は正保年間から、利長公の五十回忌の1663(寛文3)年までの約20年間の歳月を要した。当時は、寺域3万6千坪、周囲に濠をめぐらし、まさに城郭の姿を思わせるものがあったという。平成9年に、山門、仏殿、法堂が国宝に指定され、総門、禅堂などが重要文化財に指定され、江戸初期の禅宗寺院建築として高く評価されているという。
総門は正面三間の薬医門形式で正保年間の建立である。

































伽藍は鎌倉時代に広く我が国にもたされた中国の寺院建築を模して建立されたもので、総門、山門、仏殿、法堂を一直線に配列し、左右に禅堂と大庫裏を置き、加えて四週を回廊で結ぶなど厳粛且つ整然たる伽藍構造である。
名匠山上善右衛門は、利長公のだいより前田家の信任厚く、禅宗建築を良くし、近世工匠のなかでも一流の域に達した名工である。

山門は国宝で、1645(正保2)年に建立され万治年間に場所を変えて建て直す。1746(延享3)年火災で焼失、現在の建物は1820(文政3)年に竣工した。当時としては珍しい和算にり設計されている。
左右に金剛力士像を安置し、楼上には釈迦如来、十六羅漢を祀る。
































山門を抜けて伽藍を見るとその光景はなんともすごい。中央が仏殿で、後方に法堂が控えるという中世中国の禅寺を思わせる。
















回廊の周囲は300mにも及ぶという。回廊の内部は、上下に漆喰があり、中央に障子が張りめぐらされている。


















密教や禅宗の寺院で東司(お手洗い)に祀られている「鳥す沙摩明像王」である。全高1.17mで、左足を高く持ち上げ、不浄な振る舞いをした亥年子神を戒めている姿だと伝えられている。かって「鳥す沙摩明王像」は、世継ぎができるように祈願するためのものだったことから子宝に恵まれなかった利長の因果が感じされる。こちらの像は、法堂にある古い「鳥す沙摩明像王」を新しく造られたものであろうか(?)

























像の右下に亥の子供の像がいる。


















「禅堂」は、座禅をする建物であるが、座禅だけでなく、食事、睡眠もとれる空間である。しかし一人一人のスペースは非常に狭い。延享3年に焼失し、幕末に1/3に縮小されたが、今回の修理で元の広さに戻った。
































南側回廊の裏手には、利長公を始め、前田利家、織田信長や同室正覚院、織田信忠の石廟が並んでいる。














2023年4月24日月曜日

勝興寺 瑞龍寺見学ツアー(2)金屋町

 勝興寺 瑞龍寺見学ツアー(1)勝興寺の続きで、昼食を「金屋町」でとるということで寄った。「金屋町」は、高岡市の3つ目の「重要伝統的保存地区」に指定されているように、「さまのこ」と呼ばれる千本格子と石畳が美しいレトロなたたずまいの街並みが並んでいる。



















バスツアーの人たちがあまりに多かったので、いくつかの「お食事処」に分けて昼食を頂いた。私たちは「旬菜 和輝」という店に入った。
































食事後、「金屋町」を少しぶらぶら歩いた。ここは、前田利長が産業振興のために「鋳物師」を呼び寄せて住まわせた高岡鋳物の発祥の地である。この店の前に子供が体操している像が置かれているのが面白い。他の店の前にもいろいろな像が置かれている。


















すぐ近くにあった「高岡市鋳物資料館」に入った。


















ここに展示されていた「銅鑼」は、金沢で見た人間国宝の「宮崎寒知」作のものより、分厚そうな銅鑼で、どんな音が鳴るのだろう。


















重量が何と48トンという大きな鐘楼の写真が展示されていたが、これも実際のものはどんな音がするのだろう。


















金森映井智作の梵鐘
























金森映井智は、富山県在住で初の重要無形民俗文化財保持者(人間国宝)となった彫金師という。技法は鋳銅の素地に鏨や線や布目模様を彫り、そこに金や銀などをはめ込み、器の形を生かす独特の幾何学模様を施すというものである。



















人間国宝「大澤光民」作の鋳銅花器「地から宇宙から」














洒落た香炉や花器などが並べられていた。


















高岡の鋳物は、前田利長が砺波郡西部から7人の鋳物師を招いて作らせたのが始まりである。それ以来、鉄の鍋・釜・鉄瓶などを生産し、高岡鋳物とは開町以来、長く鉄製品の代名詞になっている。
1847(弘化4)年の「鋳物の街」金屋町絵図あった。176年前の幕末には道路に沿って細長い店がびっしり並んでいたようだ。


















鋳物鋳造法の原形が置かれていた。上半分とした半分に分かれている。
























こちらは、昔使っていた金属を溶かすための「溶鉱炉」か?
























通りの途中にあった「金屋上町地蔵尊」は、金屋町の守り神だ。
























千石格子の店の前には、昔使っていた外国製のグリル(?)が置かれていた。左端にあるのは「グリル用のガス管」か(?)

2023年4月20日木曜日

勝興寺 瑞龍寺見学ツアー(1)勝興寺

今回は、私が定期的に聞いている市民講座「金沢学」の特別ツアーとして、高岡市にある国宝の「 勝興寺」と「瑞龍寺」の見学仲間とに参加した。参加者は180人と予想外に多く、新たに国宝になった寺院を見ようと5台のバスで高岡市に行った。そして、まず「勝興寺」を訪れた。

1998(平成10)年に本堂の保存修理に着手し、2020(令和2)年まで23年間かけて、重要文化財12棟すべての保存修理を行い、江戸時代の壮麗な伽藍が蘇った。その後、「本堂」と「大広間および式台」の2棟が国宝に指定された。私自身は、3年前に「勝興寺」に来ているが、まだ一部修理中であった。

まず「総門」から入って見える煌びやかな「唐門」は、京都興正寺から移築されたという檜皮葺の屋根を持つ。



















大勢の観光客が雨のため傘を立てていたので、本堂の建物がほとんど写せなかった。巨大な本堂はの建物は、国宝であり屋根は金沢城と同じく鉛瓦であるという。


















本堂内陣前の欄間には細かい彫刻がなされ、柱や梁も金箔が貼られている。



















黒の格子状の格天井に極彩色の詰組組物などが見られる。


















本堂北面の妻飾りは、細かい彫刻の牡丹に獅子である。
































土蔵造りで入母屋の置き屋根「宝蔵」、城郭の趣がある望楼型の「鼓堂」が見える。


















「式台門」は、薬医門形式で番所の唐破風屋根には、江戸時代のこけら葺きが残されている。


















台所の天井には、太い梁などが見られる。


















幕府の三間梁規制を順守していることを見せかける錣(しころ)葺きの建物の中には書院、奥書院、御内仏がある。この手前に「大広間」があり、その奥に上段の間の「奥広間」(国宝)がある。



















この文様の入った白い襖の「大広間」の奥にある上段の間の「奥座敷」(国宝)は、部屋全体が金箔貼りで、前回は見れなかったところだ。しかしカメラ禁止で撮ることはできなかった。貼られた金箔は、純金95%で、時間が経つと少し黒ずんでくるという。襖などに貼られた金箔の四角の大きさが分かった。
(東山茶屋街にある「黄金の蔵」は外面は、同じように12cm角の金箔の大きさが分かる)







3年前に撮ったもの










式台前で、資料に見入っている参加者


















「勝興寺」の3年前の私のブログ

「勝興寺」を出てバスの駐車場まで歩く途中にレトロな建物「高岡市伏木気象資料館」の建物があった。この旧伏木測候所は、1887(明治10)年に廻船問屋出身の藤井能三が、伏木港を大型汽船が接岸できる様に私費で建設した燈明台(灯台)の一室に全国初の私立測候所として設立されたものだという。このレトロな雰囲気が素晴らしい。






2023年4月16日日曜日

兼六園 楊貴妃桜満開 その他の花(2)

 兼六園 楊貴妃桜満開 その他の花(1)の続きで、さらに兼六園内を歩く。

梅園では、ほとんどの梅の花は終わっていたが、ここでは枝に巻きつくように咲いている紫の花「ハナミズオウ」が目立っていた。

































この5弁の白い花は「リキュウバイ」で、梅とよく似た花からこの名が付いた。

































「舟之御亭」近くの「シダレザクラ」


















「西洋シャクナゲ」は、花の女王と呼ばれるほど大きな花が咲くという。


















こちらの椿は、白色に紅縦絞りがある「ハナミガサ」。椿の種類もなにしろ非常に多い。


















細い木から1本の細い枝に咲いている桜もなかなか風情がある。
























「21世紀美術館」前には八重桜の「カンザン」で、塩漬けにして「桜湯」に使われる。
































21世紀美術館の館外にあるステンレスの鏡面の球体「まる」付近


















この白いツバキは「ロウゲツ(蠟月)」か?