2023年1月13日金曜日

東京(6)東京都庭園美術館②

 東京(5)東京都庭園美術館①の続きで、さらに館内を見学する。

大広間は柱型と水平ライン、天井の格子縁、2つのアーチなど、直線とシンメトリーを基調としてデザインされているという。中央の重厚なマントルピースが全体を引き締め、後ろの鏡は天井照明を映し出し、部屋の奥行に広がりを与えている。

























マントルピースは暖炉の炉を囲む飾り枠として壁に設けた装飾である。イタリア製の大理石ポルトロの金の帯柄模様である。



















次室は大広間の控えの間としての機能を持っている。中央には、フランス国立セーブル製陶所で設計された白磁の「噴水塔」が設置され、その上の天井は白漆喰ののドームで周囲に間接照明が仕込まれているという。白色の陶器、黒漆の柱、赤漆の扉、朱色の人造石など日本の伝統工芸崎品に見られる色合いを取り入れている。以前には上部の照明器具に香水を施し、照明の熱により香りを漂わせたという。
























賓客との会食時に使用された大食堂は、大客室と並び浅香宮邸の中でも最も華やかな部屋である。庭側に丸く張り出した窓が開放的な空間を醸し出している。大理石の柱や省壁に銀灰色の壁面レリーフ、ガラスパネルの扉がある。窓の下にある暖房機(ラジエター)のカバーには、だ魚や貝の装飾がなされている。





































サンルームの機能を持つベランダの床は黒と白の市松模様の大理石が貼られている。ここのベランダからは素晴らしい芝庭が一望できる。
























階段手摺には鋳物の装飾金具が付いている。浅香宮邸室内の多くはブロンズ製である。






















姫宮寝室前の照明器具は、階段ホールより外光が得らるのでステンドグラス用の色ガラスを使用している。この浅香宮邸には多くの照明器具があるが、廊下の一部以外は、すべて異なったデザインとなっているのが特徴であるという。
























セーブル製陶所で焼かれたコーヒセット



















ラパンの花瓶










































ガラス製の金魚模様の花瓶




















デンマークで焼成された3羽のペンギンの陶器。同じ型から成型しているが焼成時のわずかな変形により3羽とも少し違う表情をしている。