2023年2月22日水曜日

13代藩主の能登巡見巡り(5)上時国家②

 13代藩主の能登巡見巡り(4)上時国家①の続きで、「上時国家」をさらに見る。「上段の間」、「下段の間」の縁側から庭園を見る。



















庭はかなり広く、その中心に「心字池」があり、中世的山畔池泉式庭園の典型であるという。背後に山を自然に取り込んだ巧みな構成で、国の名勝に指定されている。


















木々の間にいろいろな形状の巨石があり、日差しの変化に微妙に関わりあうという。
























一面が苔になっている奥の方は木々に覆われていて昼でも暗く感じる。この片隅に沙羅双樹(さらそうじゅ)の木がある。平家物語の「沙羅双樹の花の色、盛者心衰の理(ことわり)」の文字で知られる木だという。


















これは客用の「湯殿」で、火を使わずお湯を運んで入れる湯殿風呂で、貴族の湯殿形式と同じである。桶の中の白い布は、身体が桶に触れないようにするためのもので、「風呂敷」の湯殿と言われる。


















私用部分の部屋には、大庄屋の公務用品、戦国用品、日用品などが展示されており。ごく初期の輪島塗の器など美術工芸品も多い。


















裏側の廊下から2階へ上がる「箱階段」がある。そこの2部屋の天井には「金唐革紙」が貼られている。革に絵模様ををプレスした西洋壁紙で、17世紀に伝来し明治初期に紙幣用厚紙を用いや物が考案され、ここのものはシンプルな模様に和室に調和する渋い色合いが特徴という。明治40年頃には洋館によく用いられたが、和室に用いた例は少ない珍しいものである。
























非公開(室内の案内ポスターより)














茶の間の囲炉裏の前にも普段使われていた小物用品などが展示されている。
























茶の間の障子戸の上の透かし彫り
土間の天井が高く、様々な高さの梯子が置いてある。また向こうには台所が見える。



こちらは、大庄屋をしていた時に使ったのであろう京風の立派な籠がある。これに乗せられてそこらを回ったのであろう。
























上を見ると茅葺の屋根までは高く、大小の梁が縦横無尽に張り巡らされている。


















いろいろな事をやっていたと思われ、もみ殻採り機や杵臼、何かを保存するためのものか大きな壺(?)、祭り用の灯篭(?)などが置かれている。


















こちらも透かし彫りの欄間