アールヌーボ展 国立工芸館(2)の続きで、
「旧司令部長官室」は、この建物の玄関上の2階に位置している。ここには特に注目する展示物が置かれるはずだが、今回は何も置かれていなかった。天井のシャンデリアは当時のものを再現したものなのか?
「旧司令部長官室」から階段側
板谷波山の非常に大きな花瓶で、描かれた花の葉はくねくね曲がっているが、アールヌーボ調?波山は、金沢工業高校(現県立工業高校)に彫刻家の教授として赴任したが、2年後に彫刻家が廃止されて陶磁科を担当したことから、作陶に目覚めた。のちに陶芸家として初めて文化勲章を受章した。
寺地直次の「梅花蒔絵香合」であるが、直次はウズラの卵を使った卵殻の技法で有名で、金胎素地を完成させ蒔絵の人間国宝となている。
大場松魚の「平文千羽鶴の箱」で、松魚は「平文」の第一人者で、松田権六の内弟子であり人間国宝となっている。「平文」とは金銀の薄い板を文様の形に切り張し漆で埋めて研ぎだす技法である。
松田権六の「蒔絵竹林文箱」
松田権六の「蒔絵玉すだれ文盤」
「国立工芸館」の右側の建物は「旧金沢偕行社」で、陸軍将校の社交場や集会所があり、食堂、遊戯室や貴賓室など配置されていた。「旧九師団司令部庁舎」の建物の比べて、洒落たデザイン、色合いである。
「アールヌーボ展」を見た後、石川県立美術館の中の辻口博啓氏がやっているカフェ(ル ミュゼ ドゥ アッシュ」(なかなか店の名前が覚えられない)で一服した。