2021年9月15日水曜日

能美市巡り(2)能美ふるさとミュージアム②

 能美市巡り(1)能美ふるさとミュージアム①の続きで、さらに館内を見学した。

平安時代の823(弘仁14)年に、加賀の国が誕生した。それまで越前の国守であった紀貫之の朝廷への申し立てにより、越前から加賀の国を分国した。その理由として越前国守から遠く、巡検ができないことなどがあげられている。




















加賀立国ができるとその行政区画として、石川郡、江沼郡そして能美郡ができた。能美郡は、郡の中心となる「野身」の地名を「能力ある美しい土地」の意味合いを込めて「能美」と名付けたという。以後1200年にわたって、今日まで受け継がれる「能美市」の地名が誕生した。



















「能美」と描かれた墨書土器(復元)



















能美市は、山から海まで続き美しい自然な場所がいくつかあり、この自然を紹介しているコーナーがあった。



















「手取川」、「灯台笹湿地」、「鰐淵」、「ハマナス群落」、「七つ滝」の5つがおすすめの自然スポットとして紹介されている。そのうちのいくつかは訪れたので後日紹介する。
下図の「鰐淵」は、コバルトブルーの神秘的な池だという。














「鰐淵」では、樹上で生活するモリアオガエルが見られるなど、多種多様の生き物や生息しているという。実は後日、この池の手前800mまで車で来たが、そこからは歩きとなっていて、小径の両側がこんもり木が生え薄暗くなっており、「熊注意」の看板が掲げていたので、怖くなりあきらめた。
































続いて、この辺りの大きな農家の居間が再現されていた。中央に囲炉裏があり、家族団らんの場所だろう。床も、戸も濃い茶色の木造である。また、荒縄で作られた円筒状のものは物入か?これらは自分たちで作ったようだ。大正時代から昭和前期の部屋の様子である。



















当時の台所の様子



















昔懐かしい「ぼっとん便所」は、床下にうんちやおしっこをためるトイレがあり、それを肥料として使っていた。少なくなったら町へ行ってうんちなどをもらい、代わりにお米や野菜などと交換し、これを大八車で運んでいた。その昔は、トイレットペーパの代わりにフキの葉などを使っていたという。



















ぼっとん便所
























手取川の堤防付近には「よし」という植物が多く生育していて、これで夏の日よけとして使う「よしず」や「すだれ」が作られた。金沢の町中の古い家などにもよく見られる。
























足で踏んで動かし藁からロープを作る機械で、この辺りの農家では小学生の手伝いでロープができる機械であった。