2018年11月2日金曜日

兼六園 唐崎松 雪つり作業 2018

今回は、兼六園の風物詩となっている「雪つり作業」を見に行った。(11月1日)
この「雪つり作業」は、水分を多く含んだ北陸地方の重い雪から樹木の枝の折れるのを守るために考えられた方法である。今やこれだけでなく兼六園の冬の景色を象徴するものとなった大事なものとなっていて、ほかの庭園では見られない光景である。。
9時ごろから「唐崎松」の「雪つり作業」始まる予定だったが、少し風があったので近くの低木の「アカマツ」から始まり、そして「唐崎松」の上からロープを投げる一番見どころの作業は、11時頃くらいになった。私が兼六園に入ったのは11時10分ごろなのでで、タイミングよく見ることができた。周りにはすでに多くの人が集まっていた。



















園内随一の枝ぶりを誇る「唐崎松」は5本の芯柱が立っており、高さ9mという一番高いところに庭師がすでに上っていた。この高い芯柱にどうやって登るのかも見たかったが。てんっぺの芯柱に股で挟んでいるだけで、何も捕まるところがない。作業をやっているときは前後左右に揺れるが、怖がっていてはとてもできない作業である。
























作業は、9人の庭師がやっていて、木の途中の枝にいる人や、下にいる人もいる。てっぺんの庭師は長く垂れ下がった3本束の縄をたぐり寄せて、身を反らし反動をつけて必要なところへ投げ、下にいる庭師が受け取り、必要な枝の場所に縛り付けていく。
























縄を投げた瞬間が縄が大空に舞うが、これがまさに雪つり作業の圧巻の場面で、その瞬間をとらえようと見物の人たちはカメラのシャッターを切る。この1本の芯柱から60回投げるので縄は60×3の180本で、これを下にいる庭師が位置を選んで枝に縛り付けていって、あのきれいな円錐状の形にする。
























このつり方を「リンゴ吊り」という。ほかに根上松に代表される「幹吊り」や「竹又吊り」、「しぼり」の4種類がある。どの方法を使うかは樹木の種類や姿によって決まるという。園内では松やツツジなど約800本が施される予定で、作業は12月中旬まで続けられる。ちなみに使われる縄の総重量は約4tにもなるという。



















この前で、お笑い系(?)の女性タレントと思われる人が、兼六園管理事務所長から「雪つり」解説を受ける場面をテレビに放映しようとしているようであった。



















「リンゴ吊り」の由来は、西洋リンゴが明治8年に、石川県に入ってきたが、そのころの木は、今と違って枝が天に向かってのびていたが、たわわに実ったリンゴの実で枝が折れるのを防ぐために、木の中心に柱を立てて縄で枝を吊り上げていた。これとよく似ているのでそう呼ばれているという。
下の写真は「霞が池」の向こう側から「蓬莱島」越しに見える「唐崎松の雪つり作業」