2021年12月27日月曜日

寺町寺院群 寺宝公開 2021年(1)雨宝院

 今回は、寺町寺院群の中で6つのお寺が「寺宝特別公開」するということで、2日間の初日に「雨宝院」、「大蓮寺」、「承証寺」の3つのお寺の中に入った。(11月21日)

まず、千日町にある「室生犀星」が育った寺として有名な「雨宝院」に入った。ここの境内には何度か来ているが、中に入るのは初めてである。












本堂に入るとすでに住職さんの読経が始まっていた。













黒っぽい小さなお仏壇がいくつかあり、それぞれに仏像が置かれている。












そのひとつは「雨宝童子立像」で、天照大神の化現とされ、頭上に五輪塔を掲げ、右手に金剛宝棒を持ち、左手に如意宝珠を持つ。天照大神が日向国に下生した時の姿をいい、また大日如来の化現ともいう。




「金剛界曼荼羅」は密教を説いた「金剛頂経」をもとにした曼荼羅で、大日如来の「智」(智恵)を表すという。

室生照道(室生犀星)の明治時代の戸籍謄本が展示されていた。明治38年に金沢裁判所に勤務していて、その後、金石出張所に勤務していたが自己都合で辞めたことが記されている。


















また、犀星の作品「つくしこいしの歌」や「大陸の琴」や雨宝院への手紙などが展示されていた。


















ここの住職が、最近流行の「御朱印」を一生懸命に描いていた。


















裏庭から犀川がすぐ近くに見えたが、犀星がいたころは,もっと裏庭が広くようだ。犀星の作品「性に目覚めるころ」の中には「庭から瀬へ出られる石段があって、そこから川へ出られた。・・・・どっしりと控えている飛騨連邦を霞の中に眺めながら、新しい手桶の水を幾度となく汲替えたりした」とあるが、「医王山」あたりを見てそういったのであろう。