手取ジオパーク巡り(1)弘法池 手取渓谷の続きで、「七か用水」を管理している「白山管理センター」の近くに「北陸鉄道石川線」の「旧加賀一の宮駅」の建物がある。今回は、ここ「旧加賀一の宮駅」と「金名線」について紹介する。昭和2年には、「神社前停車場」という駅名で始まったが、昭和12年に「金名線」と「石川線」の接続駅になり「加賀一の宮駅」となった。昭和59年に「金名線」が廃止され、「石川線」の終着駅として使用されたが、平成21年に石川線の一部が廃止され、82年の歴史を閉じた。令和元年に駅舎が改修され、2階建ての入母屋造り、唐破風の入り口を持った「白山比咩神社」の門前駅舎を意識した建物に改修し、今年「国指定有形文化財」に指定された。
線路があったところは舗装された道路で「サイクリングロード」になっていて、「旧白山下」まで続いている。近くに自転車できている人が休憩していた。
「旧加賀一の宮駅」から「白山下駅」までは14駅あり、手取川に沿って走っていた。1980年の旅客運賃表を見ると、「旧加賀一の宮駅」から「白山下」まで420円、「旧加賀一の宮駅」から「野町駅」まで420円と、ちょうど中間点だ。
1926(大正15)年に白山下~八幡(郡上八幡)間の地方鉄道延長戦敷設申請がなされた。その後、終点が八幡から白鳥に変更されたという。下図はその一部で、他に「建設費用概算書」や「営業収支概算書」も提出された。白鳥からは「長良川鉄道」などと接続すれば、その名のとおり、金名鉄道(金沢~名古屋)が形成するということであった。しかし急勾配の山岳路線や営業収支などの、いろいろ困難が予想され、許可が下りず、壮大な夢は幻に終わったという。