能美市巡り(7)秋常山古墳群②の続きで、次に「久谷陶芸村」に行った。ここには、そびえる九谷焼の大きなモニュメントがある。これは先日亡くなった地元の陶芸家で、日本芸術院会員の武政昭敏昭さんが1993年に完成させたものである。
古墳の街並みに合わせ「銅鐸」の形をしており、高さは12.9mあるという。
このモニュメントの隣には「浅蔵五十吉記念館」の建物がある。二代浅蔵五十吉氏は、九谷焼の伝統に現代感覚を取り込み、独自の世界を切り拓いたという。昭和59年に石川県の陶芸家として初めて日本芸術院会員に就任し、平成4年に久谷陶芸家としてはじめて「文化功労者」の栄誉に輝き、平成8年に文化勲章を受章した。
昭和30年代から独自の器を生み出し、上絵付でも彩磁彩、刻象、磁象などの技法を次々の考案した。名実ともに九谷焼界をリードする立場になった晩年も、白金を用いた「白陽」と呼ぶ独自の彩色に取り組み、生涯を通じ新たな表現を追求した。