2021年10月7日木曜日

能美市巡り(7)秋常山古墳群②

 能美市巡り(6)秋常山古墳群①の続きで、さらに1号墳から2号墳に向かい、階段を降りる。

この古墳を造るにあたっては、もとからあった自然の丘陵を削り出しておおよその形を整え、丘陵の低い東側を中心に土を盛っている。また、上から1段目と2段目の墳丘斜面には、土が崩れないように手取川の川原石を利用した「葺石」を並べていた。古墳全体が石で覆われて白く輝く飾りとしての効果もあったという。現在はほとんど草木に覆われているが、一部のみ掘って出てきた川原石をむき出しにしている所がある。





「パンフレット」より









「パンフレット」より





1号墳の埋葬施設は保存のために発掘されていないが、電気探査などで位置や大きさがわかっているらしい。
秋常山2号墳は1号墳に比べてかなり小さく、東西32.5m、南北28m「方墳」である。
ここは埋葬施設の発掘調査が行われ、さまざまな副葬品が見つかっている。

















墳頂部の周りには、円筒埴輪と朝顔形埴輪が並べれていたと推定されていて、埴輪が復元されていた。ということから埴輪は被葬者の肉体を守護する役割があったと思われるという。埴輪には「ベンガラ」が塗られているが、赤く塗ることで邪悪なものを排除する力があると思われていたと考えられるという。



















その下には、小さな部屋が作られていて、奥には埋葬施設があり、そして壁面にはこの古墳についての説明版が並べられていた。
























埋葬施設は「粘土槨」と呼ばれる種類のものだという。墳丘の中心部に長さ3.3以上、幅2.5mの四角い穴を深さ60~70cm程度掘り、中心部をさらに掘り下げて木棺を設置し、粘土で覆っている。木棺は長さ2.6m、幅65~70cm、高さ60㎝程度あったと思われ、北側に頭を置いたと考えらている。
































副葬品は頭側に刀子(とおす)・竪櫛(たてくし)、滑石製臼玉・針がまとまって置かれ、足の両側には鉄刀が1本づつ置かれていた。




こちらの階段の方に「秋常山古墳群」の名称の石板があったので正面なのか?



















古墳群の一角に小川が流れ、公園として整備された所がある。



















墳墓の傍らの草むらに鮮やかな深紅の「彼岸花」が咲いていた。