2019年5月14日火曜日

旧中村邸 

今回は、本多町にある「旧中村邸」が一般公開されているということで見に行った。(4月30日)
旧中村邸は、中村記念美術館の生みの親で酒造業を営む中村栄俊(えいしゅん)翁の父である中村栄助氏が、1928(昭和3)年に金沢市元車(現長土塀3丁目)に住宅として建てた建物である。個人の邸宅として使用していたが、1966(昭和41)年に金沢市が提供した本多公園内の現在地に移転したという。現在は、毎年茶会や各種展示会、講座などいろいろと利用されている。
建物は、切妻造り、平入、二階建て、深い軒先のせがい造りの高町屋の形式である。



















正面の外観は、一階左端にケヤキ材の大戸があり、窓部には太い格子が組まれている。 2階は、左右両側が板張りとなっており、窓部は細い格子が組まれている。



















 1階は、7畳半本勝手、10畳の広間、12畳の寄付き、水屋などの部屋がある。写真は本勝手の床の間と右側に床脇棚がある。



















2階には、27畳の大広間があり、紅殻色の壁で天井が高く、格式の高い書院造になっていて、右に違い棚、左には床の間と付書院がある。このすばらしい部屋で大きな茶会が開かれているのだろう。

































27畳の部屋は「広間」と「次の間」からなり、その間に井波産で酒にまつわる能の演目「猩々」(しょうじょう)を表した欄間がある。東京美術学校で高村光雲に師事した富山の彫刻家の竹田松洋の作と言われている。広間が春日杉、次の間が霧島杉の銘木を利用した天井版で、柱は台湾産のヒノキ材、ケヤキ材は東京深川から取り寄せるなど、贅を凝らした造りとなっている。



















欄間の下に入れられる黄金色の襖が横の壁に飾られていた。

27畳の広間の横にある10畳の部屋と水屋



















庭園には白とピンクの「ハナミズキ」がきれいに咲いていた。




















白いブラシのような花は何なのだろうか?



















その奥には「美術の小径」の横の滝のように流れている「辰巳用水」の分流からくる水が流れており、さらに「21世紀美術館」の横に流れていく。ここからは水の音が聞こえてくる。