東北地方北部ドライブ(18)の続きで、次の日(10月15日)の朝、ペンションの窓から見えた日本海である。前日夕方に着いていれば、この海の向こうに落ちる夕日がきれいに見えたはずだが。
ペンションの朝食をおいしく頂いた。前日の夜は、カメラを撮るのを忘れてしまったが、たいへんな御馳走で、この海の近くで獲れる新鮮な刺身がたくさん出て、ついついビールを多く飲んでしまった。
朝食後、ここの御主人から、すぐ近くにある「十二湖」が非常にきれいだということを聞いて、そちらへ向かった。
ブナ林に囲まれた大小33の湖沼群で、崩山の8合目から眺めると12の湖沼が見えたことから12湖と呼ばれるようになったという景勝地である。
標高150~200mに広がった自然林の中に、さまざまな湖沼が点在し、歩きやすい道が整備されている。
ほとんどの葉が緑だが、所々紅葉したところがある。
この「十二湖」巡りのハイライトは何といっても「青池」である。他の湖の色とは明らかに違い濃いブルーの色だ。
この「青池」は、時間帯によって湖水の色が変化するという。昼ごろまでは透明度の高い透き通ったコバルトブルー、午後には深みのあるマゼランブルーになるという。金沢の特徴のひとつでなっている部屋の「群青の間」の色を思い出した。なぜこのような色になっているかは、今でも解明できていないという。
「青池」付近には、「かわせみ」など多くの野鳥が住んでいる。
東屋付きの休憩スポットの近くに、「十二湖」の湖沼のなかでも一番大きい池の「鶏頭場の池」は鶏のトサカの形に似ているから名付けられたという。湖面に映る周囲の小さな山木々も美しい。
この「十二湖」は、多くの観光客に知られていなく、自然が好きな人だけの散策コースといった雰囲気で、俗化した観光地よりも私も気に入ってしまった。こういう隠れたところがいろいろあるのだろう。