2018年1月28日日曜日

宮田鈴庵(加賀の麩)

今回は、趣味仲間に誘われて小橋にほど近い「加賀の麩」の店として有名な「宮田鈴庵」に行ってきた。古めかしい門構えの前に「ふ」と描かれた白い暖簾がかかっているのが印象的である。ここは明治8年創業というから、かなりの老舗である。



















加賀の麩は、江戸時代の後期に加賀藩主の前田家の料理人である舟木伝内が書いた「ちから草」のなかで、グルテンに小麦粉や米粉、餅粉などを加えて作る煮ても切れない麩を完成させたものである。舟木伝内といえば、3,4年前に「武士の献立」という映画に出てきた人である。
門から玄関までの通路の周りも、なかなか風情がある。



















金沢の最高級のおもてなしの人に提供するといわれる「群青の間」に招かれた。こういう所で食事をすることはめったにない。


































この食事をする「群青の間」から、きれいな庭が眺められる。庭に面した戸のガラスは、下の方まで大きく開かれ、庭が広く見られるようになっている。



















置かれた石の配置や苔、草木、そして雪吊された木と薦に覆われた灯篭など、見た目にも落ち着く庭園である。



















加賀の麩といえば、治部煮の「すだれ麩」とおでんの「くるま麩」が有名であるが、ここではいろいろな麩の料理が食れるということで、どんなものが出てくるのか楽しみだ。
 まず出てきたのが、麩の刺身でごまやゆずなどがはいったもの(写真はヨモギの麩を食べてしまった後)で、もっちりとした触感で甘めの醤油とわさびでいただいた。



















続いて生麩の揚げ出しで、パリッとしていておいしかった。ゆっくり味わって食べた。




















続いて、小さな土鍋の中に車麩、おくら、三つ葉と豆類だったかな(?)、熱々のおいしい汁味であった。



















次に生麩のステーキで、両面をこんがり焼いて見た目は全く牛肉のステーキ風だ。外側はパリッとしているが、中はもちっと柔らかい。またどの器も素晴らしいので、眺めていても飽きない。



















生麩のぱりぱりの春巻きと卵巻き、黒豆



















生麩のフライ田楽 に酢レンコン。そしてその後、おこわと麩の味噌汁に漬物、さいごに麩まんじゅうが出た。どれもおいしく頂いた。麩を主体にしていろいろな料理を食べさせてもらって、よい体験をした。



















帰りに洋室から庭を見ると、また別の美しさが眺められる。また、この洋室も素晴らしい部屋であった。