京都ドライブ(9)の続きで「京町屋」を見た後、「天竜寺」の庭園を見たいと思い、そちらへ行った。
近くの「渡月橋」付近は、平日でありながら相変わらず多くの人でごった返していた。
天龍寺は臨済宗天龍寺派の大本山で、吉野で崩御した後醍醐天皇菩提を弔うために、1339(延宝4)年に足利尊氏により創建された。開山は、夢窓黒師で、庭園も築造した。最盛期に寺の境内は、今の百倍あり、百五十もの甍を並べていたという。「庫裏」の横の受付から入った。
今回は帰る時間を考えると、時間も少ししかないので「庭園」だけを見ることにし、建物の中には入らないことにした。大きな建物の「方丈」から池を眺めた。
この池は、「曹源池」といわれ「曹源の一滴水」という禅語に因んで付けられた。左右から半島のように出島が突き出ており、池の景観に変化をつけている。
池の向こう側には、築山の斜面に「龍門瀑」という三段の滝とその上に鯉を象徴した「鯉魚席」がある。ここが見ものだというが、遠くにあるのでよく見えない。
「龍門瀑」の下に三枚の石橋が組まれているが、これは日本庭園における現存最古の石橋である。この石橋付近に岩島があり、中心石が鶴の羽石を連想させ、鶴島ともよばれ、池の北部の中島を亀島ともよばれている。
「書院」の前から見る「曹源池」と後方の「嵐山」
この後、寺のパンフレットに載っていた「拝観コース」に沿って、庭を巡った。周りが苔と石にめぐらされた所に小さい紫色の花「小紫式部」が咲いていた。
また少し歩くと、白や紫の大きな「酔芙容」という花が咲いていた。
だいぶ高台に上がったのか「望京の丘」からは、わずかに京都の町並みが見えた。
「北門」の近くは見事に竹林になっていた。
途中に「豆柿」という黄色の小さな実がなっていた。
「多宝殿」は後醍醐天皇の尊像を祀る祠堂で、前に拝堂を持ち、うしろの祠堂とを相の間でつなぐ、入母屋造りの屋根で、中世の貴族邸宅を思わせるものだという。
「方丈」の池の反対側はきれいに白砂が敷かれている。
その片隅に以前の建物に使われたいたと思われるいかつい顔の「鬼瓦」が置かれていた。