2016年冬 東山(1)の続きで、「十月亭」で食事した後、外へ出てみると茶屋街のメインストリートは相変わらず人通りは少なかった。
このメインストリートの中ほどに、以前はなく最近できたと思う店の酒の「福光屋」に入った。
店内には、「福光屋」の純米酒「加賀鳶」をはじめ「鏡花」や昔からなじみのある「福正宗」など多くの銘柄のお酒が並んでいた。また、昔テレビなどのコマーシャルで見た「福ちゃん」が描かれたハンカチなどのグッズや食品、器などもあった。
ここのカウンターバーでは「福光屋」のお酒と酒肴やスイーツなどが頂けるという。
ここで、酒造直営店ならではの「本日のしぼりたて」の試飲コーナーがあり、店員に薦められ飲んだら非常に口当たりがよく旨かったので、一本買った。
「しぼりたて」は生まれたての新酒のフレッシュさを損わぬよう火入れ(加熱殺菌)しないまま届けるお酒のことで、この寒いシーズンしか飲めないという。
続いて、茶屋街から外れてすぐの所にある、創業して180年という「高木麹商店」に行った。
ここの建物は藩政末期の典型的な町屋で「金沢市指定保存建築物」となっている。間口が広い大店で、1階には蔀戸が備えられ、2階は防火のために漆喰が塗りられている。背の低い2階で腕木により軒が出、両側に袖壁が付いている。
中に入ると店の間には、昔、見たことがあるような古めかしい茶箪笥や障子戸、そして前のテーブルは仕事の真っ最中のようで乱雑になっていた。ぶら下がっている暖簾なども年期が入ったものだった。
麹をを蒸すためのレンガ造りの炉や釜が置かれていた。
レンガ造りの煙突が屋根の上まで延びている。傍らには麹を入れる箱が積まれていた。そして、玄関戸の梁の上に、店の護り神であろうか小さな像が飾られていた。
また、ここの天井は相当高い吹き抜けになっており、太い梁が何本も走っていた。ここは2階の屋根の上に突き出た「天窓」まで延びている。窓は「明かりとり」や「換気」をするようになっている。
そして、昔ながらの伝統的な製法で作られる麹からできる「味噌」と「かぶら寿司」をいつも食べているものとどう違うか賞味したいと思って買った。
脂がのった寒ブリを白い蕪で挟んだ、表面に麹が付いている「かぶら寿司」は酒のつまみにも合い、私も好んで食べる。
帰りに寄った東山茶屋街のメインストリートの両側にある、やはり風情のある細い通り
浅野川の「梅の橋」から「大橋」方向を見る。右側の河原にはまだ少し雪が残っている。
「梅の橋」から「天神橋」方向を見る。川の水は冷たそうだ。昔はこの時期にこの辺で「友禅流し」がよく見れたという。現在でもたまにやるらしい。