2022年8月1日月曜日

黒島地区 旧角海家住宅(1)

「総持寺祖院」に見た後、車で15分くらいにある輪島市門前町の「黒島地区」に行った。 














ここは「重要伝統的建造物保存地区」になっているが、能登半島の輪島市西南の河岸段丘上に細長く形成された船主住宅である。江戸時代から明治中期にかけて活躍した北前船主や船頭、水夫が居住したところである。





「パンフレット」より
海岸線を沿うように帯状に形成された集落には、昔ながらの街路割を残している。主屋は、木造切妻造2階建て、平入り、妻入りが混在しており、能登地方特有の黒釉薬を用いた桟瓦葺きである。正面外観は、1階格子と下見板張りが特徴の家並みである。


















この黒島地区の代表的な廻船問屋住宅である「旧角海家住宅」は、1871(明治4)年の大火後に順次整えられ、地元の名匠・工藤藤兵衛によって、配置や構造はは元通りに再建されたと伝えられているという。主屋の正面は庇を絵様付きの持ち送りで支え、庇下にサガリと呼ばれる風よけの幕板や大戸口とスムシコ、格子などを設けており、2階は軒廻りまで虫籠窓を付けている。


















側背面は海風除けのために全面が下見板張りになっている。


















間取りは、表通りに並行して、店の間・帳場・中の間・座敷と並んでいる。



















奥の座敷には、仏壇や神棚が置かれている。


















玄関から通り庭の方には、茶の間・勝手がある。茶の間の上は吹き抜けになっていて、太い梁が張られている。
























勝手からは中庭が見え、中庭はコの字型に囲むように部屋があり、このような配置する形式を「ミツボカコイ」と呼び、黒島地区の多くの住宅に見られるという。



















座敷の襖は、型抜きした模様に漆を塗った珍しい紙が貼られていたが、現在では手に入れることができなく、残った使える部分を集めて引き違いの襖にこの紙を残しているという。