2022年3月5日土曜日

精霊病院修道院聖堂

 前回の「大雪後の長町武家屋敷跡の風景」の途中で見た「精霊病院修道院聖堂」は、最近改修されたので、久しぶりに中に入った。

この聖堂は、スイス人建築家マックス・ヒンテルの設計によるもので、1931(昭和6)年に竣工している。大正末期から昭和初期に札幌に滞在し、のちの横浜に移ってからも設計活動を行っている。15年間に日本にあって、カトリック関係の教会などを数多く手がけてた人である。




















この建物は木造平屋建てで、基部は塔とし上部に十字架を持ったチロル風の鐘楼で、尖塔型の屋根を架けて、建物のアクセントとなっている。
























白く塗られた木造下見板張りのロマネスク様式で、窓枠はこげ茶色のコントラストが素晴らしい。






















入口には大きなキリスト像が待ち受けている。
























内部は正面の奥に半円形の祭室部分があり、床部分は畳敷きと椅子を利用(創建時はすべて畳敷き)し、その上部を化粧屋根裏として柱位置に大壁づくりにした縦断アーチをかけている。



















横壁の上部の丸窓にはステンドグラスが入っており、下部はアーチ状になっており群青色と金色が塗られ、さらには柱には黒漆喰が塗られ、金沢の伝統工芸が所々に使われている。西洋の感性と日本、とくに金沢の感性が調和したユニークな教会である。






(以前夏に撮った写真)












中央の十字架は、昭和14年 獅子頭を彫る古瀬信一氏の作だという。



















右側にはマリア像と側面はドイツのステンドグラス窓

















左側にはキリスト像(?)とステンドグラス窓



















昭和6年当時の外壁塗装色、現在は白色だが当時は緑色だったというが、趣がだいぶ変わっていただろう。



















漆喰塗りのウォールト天井・壁は葭(よし)を簾状に編んだものを天井と壁の下地材に使用して曲面を作り、漆喰を3回塗り重ねた珍しものだという。
























出口で寄付金を出して、ここの建物の絵葉書を2枚頂いてきた。