2020年3月6日金曜日

金澤の老舗百年展 21世紀美術館(3)

金澤の老舗百年展 21世紀美術館(2)の続きで、さらに金沢の老舗を紹介する。
11.松下種苗店(弥生)創業文久元年(1861年)
野菜・草花種子の安定供給を旨とし、加賀野菜を守り、伝え続けている店である。特に郷土の先人たちが育んできた加賀野菜は、金沢の豊かな食文化を支えている。



















旧北国街道沿いにあった旧家屋(重要文化財)は、現在湯涌の江戸村に移築され建物の内部が拝観ができるようになっている。



「金澤老舗繫盛記」より















12.大村印刷(浅野本町)創業明治12年(1879年)
初代が木版から銅版、石版印刷技術を習得して始めた会社は、現在はオフセット印刷へと日々進化している。創業以来、常に先端技術を取り入れ、北陸の印刷業界をリードしているという。
ブースには、銅板印刷による大正時代の「金沢市街地図」や石版印刷による店に「引札」の絵が飾られていた。また、銅板や石版の原版も並べられていた。



















 「金沢市街地図」の銅版には、非常に細い線が見えたが、これはエッチングという技術(酸が銅板を腐食させる作用を利用して、絵を描く)でやられているという。




















13.能作(広阪)創業 安永9年(1780年)
初代の能登谷作太郎は武蔵が辻に店を構えたのが始まりで、
金沢の伝統工芸である漆の美を追求した金沢漆器の数々を揃え、伝統文化の発展に貢献している。特に、輪島・金沢。山中と石川県風土に育まれ、それぞれの豊かな個性を持つ漆器産地の品々の販売を行っている。












「金澤老舗繫盛記」より















14.落雁諸江屋(野町)創業嘉永2年(1849年)
「方丈菓子」として有名な「落雁」は、初代が京都にて修行中に会得したもので、上下の落雁に州浜を挟んだ素朴な味わいは茶人好みとされている。
ブースには、「浄土真宗 須弥盛」という二つの色とりどりの小さな菓子を盛り上げたものが飾られていた。金沢菓子の代表格の「氷室饅頭」や「福梅」の箱もあった。













「金澤老舗繫盛記」より














15.網善商店(笠市町)創業明治16年(1883年)
先日のフードピアの町屋周遊ツアー(金沢駅周辺)に参加した時に「紙谷漁網店」の中を見学したが、その後、この「網善商店」の前を通った。ここは今のやっていて、以前は漁網が主体だったと思うが、現在は甘麹かぶら寿司」や「甘麹だいこん寿司」などを販売している。
ブースには、この店の法被や初代の自画像などが並べられていた。