今回は、兼六園の遅咲きの桜について講座を受けた後、解説を聞きながら兼六園を巡った。ソメイヨシノが桜の代名詞のようになっているが、それ以外の遅咲きの桜も見ごたえがある。(4月23日)
まず、噴水の近くに、既に満開の時期を過ぎているようだが、まだまだ大きく咲いている「楊貴妃」は淡い紅色ですばらしい。中国人がよく、この前で写真を撮るらしい。
「寄観亭」の前の大きな八重桜の「カンザン」は、まだピンク色でこれからだろか。結納などのお祝いに出される桜湯は、この花の塩漬けだという。
一帯が青々した園内の中にあってひときわ目立つ真紅の葉がある。一度緑色になって、秋にまた紅葉するとか。
上坂口の近くには、高い木に淡黄緑色の小さな花弁の「ウコン」は、古くから知られた桜だという。
そのすぐ近くに大きくて、淡紅色の「フゲンゾウ」は、室町時代からあったと言われ、その様子が普賢菩薩に載っている象の鼻に似ていることから、その名が付いたという。
また、その脇に小さい木に咲いているのは「ミクルマガエシ」か?葉と花が同時に開いていく、5~8枚の花弁で、鎌倉の桐ケ谷にあったことから「キリガヤ」とも呼ばれる。「ミクルマガエシ」という名は、昔この桜のそばを通りすぎた人たちが、一重か八重かで言い争いになっため、車を引き返させて確かめると、一重と八重が混じっていたという言い伝えにちなむという。また後水尾天皇があまりの美しさに、御車を返してごらんになったことにちなむという説もある。木の下の方にぶら下がっている黒い袋の中に次期のための花粉を集めるという。
「山崎山」の奥の方に花の形が桜らしくないブラシのような「ウワズミザクラ」が、少し顔を出していた。
曲水近くには「兼六園菊桜」の3代目の木にかなりの花が付いていた。2代目は花が付かなく、もう伐採されていて、3代目は去年はあまり咲いていなかったので、もう当分見れないかと思っていたが、これからが楽しみになってきた。
大きな「ケンロクエンクマガイザクラ」は、もうかなり散り始めていた。「熊谷」の名前は、「コヒガン」に先駆けて咲くことから、熊谷次郎直実の先陣争いの故事になぞらえたものとか。