今回は、東山にある「宇多須神社」で芸妓さんたちの踊りや豆まきのイベントあるということで、前から一度は見たいと思っていたので行ってきた。(2月3日)
以前、このブログでも紹介しているが、「宇多須神社」は藩政期に藩祖前田利家の神霊が据えられていたが、明治になって尾山神社に遷座してからは、「毘沙門天」を合祀し、また最近には再び利家の分霊を受けた。茶屋街の守護神としても有名である。
午後1時よりイベントが始まるということだったが、できるだけ近くで見たいと思い、すごい人だと聞いていたので、その20分前に拝殿に陣取った。しばらくして、後を見渡すとすぐに人でいっぱいになっていた。
並んでから分かったが、お目当ての「芸妓の舞」と「豆まき」は2時30分からであることを知り、ここに立ったまま2時間くらい待たなければならないと思うと苦痛を感じた。
付近の見物人は、石川県の人が多いようで、一度は見たいと思いやって来たという人が多かった。ひがし茶屋街の観光客は偶然出くわし、ラッキーということで見に来た人も多かったろう。近くにベトナムから来たという青年が、大きなカメラを持って盛んに写していた。
人だかりの後ろのほうでは「振舞い酒」が振舞われていた。
拝殿では「南京玉すだれ」という伝統芸能が披露された。これは私も始めて見たもので、中国風の奇抜な衣装に見えたので、発祥は中国の南京と思いがちであるが、富山県だそうだ。
数人の芸人が立って並び、両手に竹のすだれをもって、歌を唄いながら、いろいろな形状に変えていきある形に見せるものである。今回は北陸新幹線開業に因んだ金沢の観光に関するものを作って楽しませてくれた。
「尾山神社の神門」、「カニ」やキャラクターの「ひゃくまんさん」など表していた。
続いて宮司の祈祷があり、その後、拝殿の中に座ったこのイベントの関係者や芸妓さんと見物人にもお祓いがあった。そして宮司さんと芸妓さんが境内の中で「豆まき」を行った。
この後、お待ちかねの「ひがしの芸妓さん」による奉納踊りが披露された。芸妓さんは艶やかな黒紋付の正装である「お引きずり」というものを着て、金や紅白の扇を手に踊りを奉納した。
きれいどころが出てくると「ホッー」と観衆のため息が漏れた。
芸妓衆全員で舞う「さわぎ」になると、鳴り物もにぎやかになり、一層華やかな雰囲気になった。観衆も目を凝らして見入っていて、拍手が鳴り響いた。
芸妓さんの舞が終わった後で、境内の真ん中に作られた紅白の幕を張った舞台で「豆まき」があるということで、大観衆が移動をした。
舞台の周りは、既に一杯の人で、結局、私は舞台のすぐ下となってしまった。「福は内、福は内」の声に合わせて芸妓さんの「豆まき」が始まると、皆さん、歓声を上げて血眼になって豆の入った袋を取りあっていた。「お姐さん、こっちに放ってくれ」という声があちこちで聞こえた。
真下にはあまり袋が飛んでこなかったのと、背の高い、手の長い人が上手く受け取っていたので、残念ながら私はひとつもとることができなかった。ちなみに豆の入った袋の中に番号が入っており、それにより後で景品をもらえるらしい。
この近くの馬場小学校の児童も集団で見に来ていた。自分の家の近くの楽しいイベントも見ておくのもよいことだろう。
初めて、このイベントが見られ、特に「芸妓の舞」は大勢の観衆の中でも一番見やすいところで見ることができ、楽しいひと時であった。これも金沢の風物詩として全国にアピールし、観光客をひきつけてもらいたいものである。