2016年2月12日金曜日

「金澤町屋を学ぶ会」(1) 金沢学生のまち市民交流館

今回は、金沢市役所の歴史建造物整備課の主催で「金澤町屋を学ぶ会」が開催されるということで、片町の「きらら」の裏にある「金沢学生のまち市民交流館」に行った。(1月30日)


























ここの「交流ホール」で30人の参加者が「金澤町屋保存」の取り組みについて市役所の担当者から話を聞いた。




















この「交流ホール」は、犀川の新橋袂にあった「旧料亭かわ新」の建物の部材90%を再利用して建てられたものである。特に80畳の大広間には、緑色の壁で、昔ながらの規格サイズを採用したという障子と天井は日本建築の中で最も格式が高いといわれる「折上げ格天井」で、明かり採りの窓などが付いていた。




















床の間の横には重量が500kgという杉の木の巨大な床柱があった。


























また、右端には「もっこ組」という正倉院にもある細かい細工が施された建具があるすばらしい大広間である。




















旧市内に昭和25年以前に建てられた歴史建造物の「金澤町屋」は、大きな自然災害や戦災にもあっていないことから現在6,000軒近くあるが、その維持の問題や住んでいる人の高齢化もあってか、毎年100軒くらいが壊されているという。しかし、この「金澤町屋」は、金沢における個性的な魅力的な都市づくりに欠かせない存在になっているという。それで、金沢市では「金澤町屋」の維持、継承を目的とする外観の修復や内部の改修工事などに対する支援事業として、「町屋再生活用事業」を実施している。




















金沢市では町屋再生のための補助金を出す制度があるという。店舗や住宅とそれの併合した建物について補助金額やその手続きなどについての説明があった。


























「NPO法人町屋研究会」では、「町屋の情報発信」、「建築士による物件調査」、「改修相談」や「ユーザーの情報収集」などの活動をおこなっている。「町屋所有者」と「町屋購入者・賃貸希望者」と結びつけや円滑に事業を薦めることなどをやっている。


























金沢市では「こまちなみ保存条例」を制定しているが、市内には藩政時代に作られた道路や用水といった町の骨組み、武士の町・町人の町などを残しながら、現代までの市街地が積みかせねられている。歴史的な町並みが残る茶屋街(東山、主計町)と寺院群(卯辰山麓、寺町台)などを「伝統的建造物群保存地区」と指定しているが、これ以外にも、裏通りを歩くと「こんな町が残っていたのか」と思うような通りを見つけることが出来る。
このような「歴史(古)を感じさせる町としたいい町並み」を「こまちなみ」と名づけ、金沢市の歴史を受け継げ貴重な遺産として保存に努めている。
「こまちなみ保存区域」(武士系)として「里見町」、「水溜町」、「旧御歩町」や「旧彦三一丁目、母衣町」などがある。
















「金沢市のパンフレット」より









典型的な武士系住宅の事例




















「こまちなみ保存区域」(町人系)として「旧新町」、「旧天神町」、「大野町や「金石町」などがある。












「金沢市のパンフレット」より













典型的な「商家」の事例




















この「こまちなみ保存区域」は私もあまり歩いていないので、そのうち歩いて紹介したいと思う。