金沢の台所の近江町市場を散歩した。(7月20日散歩)小さい頃ここの近くに住んでいたのでなじみがあるが、かなり変わってしまったようだ。
近江町は金沢でも最も早く町として成立した「尾山八町」のひとつである。その名前は前田利家による支配以前からあったという。
町名の由来は、最初にここに近江の国の人が来て商売を営んだためだという。
明治37年の大火の後に再建が進められ、市場は公共市場と認められ「官許金沢青草辻近江町市場」として栄えた。それまではかま真奈美瀬を構えている状態だったが、「官許」となってまとまった区域に集中し、さまざまな自主規制もなされるようになった。標柱が「むさし口」の左側に建っていた。
こういう市場はスーパーなどと違って、店の人とお客さんの「かけ合い」が面白い。私みたいな年寄りでも「お兄さんこれ買っていかんか、安くしとくよ」と言われ、ちょっとどんなものか見たくなる。値段交渉するのも面白いし、店の人も活気がある。
2009年に近江町再開発として「近江町いちば館」ができて、かなり様子が変わったようだ。今は市場の顔となり、観光客もグーンと増えた。2階は飲食店エリアになっている。
エスカレータで2階に上がるとすぐのところに「金沢うどん」と書いた「麺丼や」という店に入った。てんぷらうどんを注文してたべたが、加賀野菜のてんぷらにうどんもおいしかった。
いちば館のとなりに北國銀行武蔵が辻支店がある。ここは全国のあちこちの建物を設計した「村野金吾」が若い頃に設計し、1932年に建てられたものである。大正ロマンの香りがする趣のある建物である。「近江町いちば館」を建てる際に少しだけ建物ごと移動したという。
建物の中は、今は表側に餡蜜などを食べさせる和風カフェの「萬久」という店になっている。銀行は裏側になっている。
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