今回は、定期的に行っている野町の眼科医院に行ったので、ついでに野町通りを散歩した。
ここの眼科は、いつもいっぱいで待ち時間が長いので、予約をしていないときは午後の診察が始まる30分前に入って、予約表に名前だけ書いて、隣にある「金沢楽器」でコーヒーを飲みながら、おばさんと話をして時間を待つことにしている。
ここのおばさんは10数年前にご主人を亡くしているが、愛想がよく、気さくに話をしてくれる。
今回は、隣にいた音楽関係の人と思われるお客さんが、私と同じ小学校を卒業した2年下の人と分かり、同じ時期に同じ小学校にかよっていたので、懐かしい話で盛り上がった。
「金沢楽器」は管打楽器の専門店で、店を開いて50年近くになるという古くからある店だ。
眼科の診察が終わった後、広小路方面に歩くと、新しくコンビニの「ローソン」が開店していた。
その隣に、看板に「森紙店」と描いてあるがもう既に店は閉店している。ここは金沢の町中に残る唯一の板葺き石置屋根の建物で、金沢市指定保存建築物となっている。
2階には袖壁や古格子が付き、軒先には屋根板が風でめくれるのを防ぐために風返しと呼ばれる横板が付いている。家の中も、ミセ、チャノマ、ザシキなど江戸時代末期の家屋の建築洋式を残しているという。昭和30年頃には、まだ町中でいくつかの石置き屋根を見たことがある。
そのすぐ横にある「塗師岡仏壇店」も看板から想像してかなり古そうな店だった。ここは「金沢仏壇」を手作りでやっている老舗である。
広小路交差点の角には「安藤薬局」があった。ここも古くからやっている大きな店だ。中に入ると白い服を着た女性店員が何人かいて、金沢のお土産も売っていた。
ここの主人の二代前の人は「安藤建二」といって、熱意にある方面委員(今の民生委員)で、金沢市の中で先駆けて「善隣館」を作った人だ。
「善隣館」は1934(昭和9)年から1960(昭和35)年には市内に19ヶ所あり、いろいろな生活相談や授産・託児などの援助、さらに図書館や教育活動など地域の福祉、社会教育の拠点となっていたところだ。
現在でも、野町公民館と一緒になっている建物が「第一善隣館」として活動している。カルチャースクール、ディーサービスや保育所などがあり、高齢者と保育園児との交流もしているが、幼児の遊んでいる様子を見ているだけで高齢者は元気になるという。
また、「ゼンリンカフェ」という所が野町2丁目の小路にあるということを聞いたので、そこへ行ったら、ちょうどそこで働いている人が店を閉めて出てくるところで、「午後4時までで終わりです」と言われ中に入ることはできなかった。
ここではコーヒーや食事としてカレーなどをやっていて、シニアのくつろぎの場となっているらしい。
また、「大正琴」の練習もやっていると言っていた。後日、どんなところか一度入りたいと思っている。
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