この寺は弘法大使入唐求法の時、印度の高僧般若三蔵よりこの妙蓮の種をうけ、弘仁年間北国巡錫のときにこの地に来り、鎮守白髪明神の霊告により、本尊不動明王一体を刻み持明院を創立したとパンフレットに書かれていた。
このお寺は、以前金沢駅の近くにあったが、公害の影響などもあり、昭和46年に加賀れんこん発祥の地の大樋の地に移植し、今日に至っているという。
門の扉には蓮寺として有名なので「蓮の紋」が掲げられていた。
本殿に入り、さっそく丁寧にお参りした。
その後、お寺の人から蓮についての説明をして頂いた。
妙蓮は日本に現存する多頭蓮の代表的なもので、蕾の間はひとつであるが、共同花弁が百枚ばかり散ると、花弁が二つ三つ、多くは七つ八つに分離するという。一つの花に花弁の数は千五百から三千にも分離するという。
そして、本堂の裏に回り「妙蓮池」に行くと、蓮の葉や花が一面にあった。しかし、まだ蕾のものも多かった。もう少し時間がたてば多くの花が開くだろう。
「妙蓮池」の脇に千仙叟宗室ゆかりの茶室「一休庵」があった。
妙蓮を煎服すれば、乳不足のその他諸処の血の道の薬となると古来より有名であるという。
定期的に茶会が開かれているらしい。
上枠が花形にかたどられた窓から見る「妙蓮池」も見ごたえがある。
本堂前の境内にある「春日灯篭」の火袋のところに獅子が彫刻されていた。
後で知ったので見過ごしてしまったが、ここに茶の湯の釜師として有名な初代「宮崎寒雉」の墓があるらしい。この寺の近くで釜などを鋳造していて、死後この寺に葬られたという。