今回は、白山市福留町(手取川方面の国道8号線沿い)にある、和太鼓の店の「太鼓の里資料館 浅野太鼓」へ、趣味仲間と一緒に行ってきた。
浅野太鼓は、江戸の初期の1609(慶長14)年に創業したという老舗の和太鼓専門の店である。
店内に入ると、いろいろな種類やサイズの和太鼓が所狭しと並べられていた。
太鼓の材料となる木材が置かれていた。上質のものは硬くて狂いの少ないケヤキで、他にトチやクス、センなどの使われる。ケヤキの大きなものはアフリカ産だという。皮は牛皮が主なもので、特に牡牛は繊維が緻密で鳴りが良いという。背中の左右がよく使われるという。
まず目についたのが、太鼓の木の筒の内側の溝の彫り模様の違うものが二つならんでいた。ちょっと筒の外側をたたいてみると、違う響きの音が聞こえた。これは実際の太鼓になった時にバチでたたくと随分違う響きになるのだなあと思った。以前は手彫りで彫っていたらしいが、今は機械で彫っているという。
太鼓の一般的なものは「長胴太鼓」と言われるもので、1本の木をくりぬいて作るもので、皮面を鋲で胴に打ち付けて固定する。
ロープなどが縛られている「締太鼓」は、太鼓演奏チームやプロの和太鼓演奏者などに使われているが、小さいものは民謡、雅楽、能などにも使われる。
調律桶太鼓「奏(かなで)」はグッドデザイン賞をもらった太鼓
茶屋街のお座敷でも飾ってあるのを見たことがあるが「加賀蒔絵」が施された「小筒胴」
きれいの飾ってあるこの小筒の皮は山羊皮
「団扇(うちわ)太鼓」は直径20㎝位の円形の枠になめした皮を張り、柄を付けたものである。主に日蓮宗で題目を唱える時に用いる。
太鼓をたたく棒の「バチ」は、いろいろなサイズがあり、ヒノキ、カシ、メープルなどがある。
建物の2階には練習場があり、大きな音を出していた一人の女性が練習していた。太鼓の音も素晴らしいが、たたいている人は体全体を使うので、終えた後はさぞ爽快感があるだろう。
この後、店員に依頼して横にある太鼓の工場をを見せてもらった。企業秘密と思うので写真を撮るのを控えた。
中国や新潟からの注文で、直径1.6mを超える大型の太鼓などが制作中であった。木の中ぐりをする小型から大型の旋盤があり、私が特に興味を持ったのは、太鼓の牛皮をどのように引っ張って固定するかであったが、木の材料に牛皮をロープなどでうまく固定し、下から油圧ジャッキで太鼓を押し上げることにより牛皮を引っ張り、音が出方を確かめながら最高の良いところで、鋲で皮を固定するということだ。