前回の続きで、犀川大橋方面から桜橋のほうに歩いた。
「石田屋」ふとん店の店があったので入った。
店内をじっくり見ていると、店員の方が親切に説明してくれた。
一階には「キャベ」というイランの山岳地帯に生活する遊牧民が
長い月日をかけて織り上げるものだというものがあった。
「キャベ」の座布団やじゅうたんなどがたくさん並べてあったが、
どれもきれいな刺繍で模様が施されていた。羊の毛を木や草で
染めた糸で編んでいるという。
二階は、10年ほど前にベッドや布団を見に来たことがあるので
今回は見なかった。
少し歩くと、レンガ造りのしゃれた建物が見えた。
ここは「金沢モリス教会」というが、礼拝などをやる本来の教会ではなく
結婚式場と美術館となっている。
美術館としてはキリストや聖母マリアなどの宗教画やさまざまな欧州ステンドグラス
を展示しているという。
19世紀にイギリスでデザインや詩などの活動をしたウィリアム・モーリスデザインの
ステンドグラスで当時の雰囲気が感じられるという。
建物の中央は結婚式場となっていて、ステンドグラスから差し込む光、パイプオルガン
が奏でる荘厳な讃美歌の中で二人の門出を祝うという。
次に「杉の井」という高級料亭があった。金沢には高級料亭がかなりある。
こういう所は、法事、慶事あるいは遠来の大事なお客さんとしか来ないから
めったに利用はしない。
ようやく犀川大橋のひとつ上流に架かる桜橋に来た。
ここは室生犀星の小説の「つくしこひしの歌」の舞台ともなった。
犀星と妻とみ子の思い出の場所でもある。
橋の上から遠く戸室山、医王山がよく見え、見晴らしのよいところだ。
橋の欄干には桜の模様がつけてあった。
より大きな地図で 金沢モリス教会 を表示