2024年2月22日木曜日

旧四高の文化遺産の見学(1)自然史資料館

 金沢市銚子町にある「自然史資料館」で「旧四高の文化遺産」として旧制第四高等学校由来の物理化学実験機器や自然史資料(教育掛図、標本)などが展示がされていたのでどんなものかと思い見に行った。常設展示は、自然に関する教育普及や活動、標本資料の収集・保管、調査研究などを行っている。



「自然史資料館」の辺りはあまり来たことがなく、入り組んだ狭い道だったのでたどり着くまでに時間がかかった。


















周辺を見渡すと住居があまりなく、のどかな風景である。


















まずは常設展示館を見る。

「アジアゾウ」の骨格は、旧四高で使われていた明治~昭和初期の標本である。その古さが目立つが現在では手に入らないという。骨格は動物の体の基本で、骨格の観察から動物の体の仕組みや進化の様子を研究していたという。



















「イヌワシ」は翼を広げると2mの大きさのワシタカの仲間である。石川県の白山山系を勇壮に飛び交うことから県の鳥に指定されている。


















鳥の羽毛は、先祖のは虫類のうろこが変化してできた。鳥の前足は実際には小さいが、たくさんの羽毛が重なり合って広い翼になっている。翼の羽毛は規則的に並んでいて「風切」などの名前が付いていて風切羽がないと飛べなくなるという。


















金沢から見える山の代表は「医王山」と「戸室山」であるが、どちらも火山である。戸室山は50万~60万年前に地下の溶岩が盛り上がった溶岩ドームである。1800年前に山崩れで、山の西側がえぐれている。


















「医王山」は学生時代によくハイキングに行ったところで、「トンビ岩」や「三蛇ヶ滝」などは懐かしいところである。名前の由来から様々な植物が生育し、「薬草の山」として知られている。





































高校1年生の時の「トンビ岩」や「三蛇ヶ滝」の写真


石川県の地質の分布図が展示されていた。比較的新しい金沢や南加賀の平野地の灰色部分は手取川が運んできた砂利や砂・泥などがたまってできた沖積層になっている。今回の地震の被害が大きかった奥能登は、砂・礫・泥・火山灰の地層が多い。羽咋から南の海岸沿いは砂丘となっている。白山山系付近や奥能登の南部は1億年前以上の古い火山岩の安山岩溶岩などが多くなっている。


この「ダイオウイカ」の標本は、石川県の能都町で2016年に捕らえられたもので、全長が4m20cmもある国内で展示されているものとしては最大級であるという。