今回は、 尾山神社が御鎮座150年記念として宝物特別展が9月9日~12日まで開かれていたので見に行った。尾山神社は明治6年に、卯辰山にあった卯辰八幡宮から現在の地に御鎮座され、150年の節目になるが、今回の宝物展には、神社に保管されている160余点の宝物から江戸時代を通じて保護されていた卯辰八幡宮伝来のものから、神社創成期に前田家から寄進された前田利家公所縁のものなど50点が展示されている。今までに公開されたことはなく、初めての試みである。
神社内の庭園には、木々の中に柵で囲まれているのは「辰巳用水」に使われた「石菅」の一部か?ここが「金谷出丸」時代の庭園の水は「石菅」を通して辰巳用水から来ていた。
床の間にはミニチュアの鯰尾兜が飾られていた。
この展示物の中でも、私が特に注目したのは、利家公が身に着けていた鎧胴である。
鉄製で正面に天満宮と彫られ、両脇に梅と松の図柄を彫り、右側には前田又左衛門利家と刻まれている。鉄砲の玉跡がはっきり見える生々しいものである。
鯰の尻尾のような形をした兜を「鯰尾兜」と呼ぶが、そもそも鯰は大きな地震を引き起こす生き物として人々は当時から認識されていた。利家はその大きなパワーをもらいたいという思いから身に着けていたといわれる。
槍の先端に生首が刺さった鮮烈なこの絵図は何度か見たことがある。
1873(明治6)年 旧加賀藩お抱え絵師である佐々木泉玄による肖像画
尾山神社の宝物は何かあると思っていたが、素晴らしいものを見せていただいた。約450年以上前に前田利家が実際に戦場で使っていたという鎧、兜など初めて見るものばかりで感動した。今回公開されなかった他の宝物もぜひ見たい。