今回は、街中の広阪通にある「しいのき迎賓館」前で加賀鳶の「梯子のぼり」をたまたま見ることができた。この日は加賀鳶の「梯子のぼり」保存会が設立されて50周年記念ということで特別披露が行われた。
実演30分前には、各分団がそれぞれ事前打ち合わせを行い、気合を入れていた。
梯子の長さは約5.5mで、紐の結び方は決められていて、すべての段に絞められているが、特に一番上と一番下は直径5mmの木綿のロープが頑丈に締められている。鳶口は長さ2.5mと1.5mの二種類があり色分けされていた。これで立てた梯子をがっちりつかむ。
「加賀鳶の梯子のぼり」の由来は、江戸鳶の時の5代綱紀が隠居し次代藩主の後見的役割をしている頃にその母体が作られ、当時火災現場で重宝されたのは梯子を用い、気勢と気概を信条に身軽な動きと熟練した技をもって住民の前にその演技を披露するとともに火の守りの重要さを訴え消防の意気を示す運動がきっかけで始まったという。
まず演技は、梯子が使われた由来の、火事がどこで起きているか見る「遠見」から始まる。
やはり竹に腹を載せ、片方の手を下方の竹をにぎり、体は梯子に垂直より斜めにする「しゃちほこ」。そして決まると演技者が「ハーイ」の声に纏を振り上げ、「ヤー、ヤー」と声をかける。