今回は、前回の武蔵町のお隣の高岡町界隈を歩いた。
高岡町の由来は、2代藩主の前田利長が越中高岡に隠居していたが
亡くなり、その家臣たちを金沢に帰し、この地に住まわせたことから
この名が付いたという。
明治時代に殖産政策のひとつとして、果樹園が奨励され、高岡町、長町
彦三などの武家屋敷にリンゴ園が経営されたが、その名残をとどめる木が
残っていた。
鞍月用水沿いに、お香、線香やろうそくなどを売っている「伽羅」という
店に入った。
インドネシアなど東南アジアの木を原料として、粉末にして成形した線香があった。
また、七尾市の有名な店で作っているというろうそくはきれいな花が描かれていた。
これは、転写のものもあるが、手書きのものは繊細に描かれ、華やかな感じがする。
お香がきれいな袋に入っており、車や小部屋などにぶら下げておくと
アクセサリーにもなり、いい香りが味わうこともできるという。
前を流れる鞍月用水の開削は古く、中世までさかのぼるといわれるが、
定かではない。取水口は犀川上流の上菊橋上流右岸にある。
明治から大正末期には金沢製糸場の機械を動かすなど機械の動力
として利用された。
少しわき道の目立たないところにある「松声庵」という茶室がある屋敷に入った。
ここは、幕末から明治にかけて旧新町に住み、数奇者として知られた金谷三次郎
の邸宅にあったが、大正時代に常磐町の油谷氏邸に移築したが、平成になって
金沢市に寄贈され、この地に移築されたという。
茶室にふさわしい落ち着いた和室と庭があり、ゆったりとした気分が味わえる。
ここの管理人によると月に1回茶会が開かれ、その他、生け花、句会や歌会
などをやっているという。
金沢は昔から茶の湯が盛んで、このような茶室は何箇所かあるので、そのうち
訪れて紹介していきたいと思う。
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