元旦の「令和6年能登半島地震」では、能登の方で大きな被害にあったのも、まだまだ記憶に生々しい。
今回は、私が定期的に受けている1月の市民公開講座「金沢学」で、金沢大学の「青木賢人」先生が「金沢の自然災害と防災」というタイムリーなテーマであったので、その一部を紹介する。
4年前にも同じ先生から「浅野川洪水」を中心としたテーマから同じような話を聞いていた。
今回の能登地震の写真(講座資料より)
100万年前の北陸の地形
そして小立野台地などは、浅野川と犀川の二つの川が数万年前に運んできた砂利が堆積した部分で、その後、川によって削られた部分と残った部分である。古い時代にできたほど高く、新しいものほど低い階段状の地形になっていてて砂利などがたまった河岸段丘である。
低地は扇状地と沖積平野からなり、扇状地は川沿いの洪水によって砂利がたまったところで、水はけが悪いので水田には向かない。
沖積平野は、6000年前まで浅い海だったところが、川から運ばれたきた砂や泥に埋められた平らな土地になったところをいい、水がたっぷりで水田向き。
藩政期のこの辺りは、小立野台地の先端が金沢城で、旧市街地が扇状地・城下町になっており、その外側は沖積低地で水田・農地となっていた。そして現在に至るが、金沢の地形は、長い目で見ると二つの川の洪水で形成されてきたということである。
次に金沢付近にある「森本富樫断層」について講習を受けたので紹介する。
「森本富樫断層帯」は、津幡・森本から金沢の中心街を通り、手取川扇状地まで続く約26kmの断層帯で、南東側を上盤、北西側を下盤とする逆断層である。森本断層と富樫断層の間には「野町断層」があり、金沢の主要部は、断層の上部側間近に位置する。つまり長町辺りの「旧西外惣構堀跡」の坂や武蔵が辻交差点から尾張町方向を見ると少し坂になっているのがそうだという。
断層のずれは三つの種類がある。
森本富樫断層による将来の地震発生の可能性は
地震の規模:M7.2程度
地震発生確率:30年以内に、2~8%
平均活動間隔:1700年~2200年程度
最新活動時期;約2000年前以後、4世紀以前
と言われているのでいつ起きてもおかしくない時期に来ている。全国では、確率が高い「南海トラフ地震」や「首都直下型地震」ばかりが騒がれていて、確率が低いので、金沢の人たちはのんびりしていたようだが、実際に7年前の「熊本地震」を起こした布田川断層は最大0.9%だったというからそれよりは高いということになる。
森本富樫断層帯が活動した場合の地震のハザードマップを見てみると、金沢市街全域および能美市からかほく市までの広い範囲が震度6弱~6強の範囲で一部は震度7の可能性もあるという。今回の輪島や珠洲と同じような被害が出る可能性があるということだからゾッとする話である。