三国湊レトロな街並み(1)の続きで、その後も周辺の町家を歩いた。この「旧岸名家」は代々新保屋惣助(屋号新惣)と名乗り、材木商を営んだ。この建物は川方の商家造りの典型でである。建築様式は妻造りの前面に平入の屋根を伴った「がぐら建て」という三国湊独特のもので、江戸初期に建てられ、明治・大正・昭和時代に合わされて改造された。先祖は1707(宝永4)年創設された俳諧の結社の初代宗匠で岸名昨嚢(さくのう)と称す。平成16年に三国町が修復して、一般公開。平成17年気に登録有形文化財になった。
川端に向かって続く「よおり」に沿って、店の間、中の間・座敷、背戸と呼ばれる中庭、そして土蔵が続く。小庭には水琴窟もあるという。この部屋は、床の間と下に棚を持った中の間か。
奥の中庭も大きく、苔庭に灯篭、飛び石、木々などが素晴らしい。金沢東山にある茶屋や町家の坪庭より広い。
台所の様子で、お釜や臼、桶などの台所の用具が置かれている。
懐かしいレバーを上下させて水を出す手動ポンプ
店の間の表通り側には、蔀戸が隠れており、昼間は下半分だけ格子戸が入っている。主人の座っている場所には柵があり、小さな机や箱火鉢、小さなタンスとここの店デザインの暖簾などが展示されている。