2024年9月9日月曜日

東京 日本橋付近(2)日本銀行

 東京 日本橋付近(1)日本橋の続きで、その後、近くのレトロな建物を見た。

「三井本館」は、1929(昭和4)年には建てられた、震災後の帝都復興の旗振り役となった建物である。建物の上部の周囲には水平なコニースの下に古代ギリシア風の柱頭にコリント式の精巧な彫刻がなされている。7階には「三井記念美術館」があり、絵画・書・茶道具など収蔵品がは7000点ある。「丸山応挙」作の「雪松図屏風」や国宝茶室「如庵」も再現されている。



















通りを挟んで「日本銀行」本店の建物がある。元々この地は金貨を鋳造する金座の長を代々務めていた後藤家の屋敷のあったところで、銀座は明治政府に接収された。
この建物を設計したのは近代建築の第一人者「辰野金吾」である。1階部分は石造りだが、地震対策として2,3階部分は軽量化するため煉瓦造りとし、さらに耐震補強を施し、その上に壁面には石を張りつけてそう石造りに見えるようにしている。「辰野堅固」と言われるように重厚で堅固な造りである。




















この建物を空から見ると「円」の字に見るが、1896年の竣工当時の日本銀行券は旧字体の「圓」の表示であるから、「円」の字型の平面形状は意図したものではないという。街路樹とレトロな建物がマッチしている。


















この辺りはシンメトリーな建物であるが、窓を見てもどこまでも重厚なつくりで、いかにも銀行の建物の外観である。1974年に重要文化財に指定されている。
玄関前には物々しくガードマンが控えている。



















ペディメントの屋根の下には、中央に窓があるが奥に引っ込んでいる。また1階の窓には太い金網が付けられている。、その両側に古代ギリシアの見られる円柱の付け柱を備えているて、コリント式の柱頭飾りが付いている。


















「辰野金吾」式の銅葺きのドームが建物の中央に見える。石板はレンガの積み方同じように積まれている。出入り口の曲線部も同じようだ。

























日本銀行の向かいにあるのは「紙幣博物館」の建物で、1982(昭和57)年に日本銀行創業百年記念に開かれた博物館である。今年久しぶり新札が発行されたが、古代からの貨幣の歴史を実物・写真などを使って説明しているという。


















日本橋付近の古地図と現在地図
江戸時代からここは商人・職人の町だったことが分かる。現在でも江戸時代創業の「眼鏡屋」や「包丁などの刃物屋」などが残っていることが分かる。時間はあれば、この辺りを散歩するのも面白いだろう。