2014年2月6日木曜日

金沢の和傘 松田和傘店

千日町にある「松田和傘店」に行った。
ここにいる今年90歳になる2代目「松田弘」さんは、約70年間和傘を作り続けている。北陸ではただ一人全工程を一貫して作る和傘職人である。




















途中洋傘が復吸し、売れなくなりやめようかと思ったことがあるという。店に来た外国人に「やめてはいけない。大事な日本の文化です。」と言われ、日本の伝統技を継承し、和傘を作り続けてほしいという言葉が心の糧になっているという。




















和傘が店内いっぱい並べてあった。ちょうど東京から来ていたお客さんが3.5万円もする和傘をポンと買うところだった。その後、私がいろいろ質問していると、今度は福井県から来たというお客さんが、ここで10数年前に作ってもらった和傘の紙が破れたので補修してほしいということだったが、2本で3.6万円で2ヶ月かかると言っていた。この人は踊りに使うと言っていた。
この高い和傘をどういう人が買うのか聞いたところ、社寺、レトロな店の人、あるいは銀座のママさんなどで中には「値段はいくらでもいいから作ってくれ」と言う人もいるらしい。また、踊り、演劇、歌舞伎などでも使うであろう。着物を着た人には和傘がよく似合う。
大変きれいな柄のものもあったが、一本作るのに1年もかかるものもあるという。




















金沢和傘は冬の厳しい気候にも耐えるように丈夫なつくりが特徴で、今でも根強い人気があるという。私が小さいころ、何度か和傘を試しに持つ機会があったが、あの開いたときの「パリッ」とした音と独特な匂いは今でも覚えている。

続いて、その和傘が展示してあるということで、広坂にある「しいのき迎賓館」に行った。




















松田さんが高齢で体力的にきつくなり、あと継ぐ人がいないということで、金沢市が動き出し「金沢和傘研究会」が4年前に発足し、表具職人などが中心になって和傘作りを始めており、その人たちが作った和傘が並べられていた。









































材料の孟宗竹は岐阜県から、紙の「こうぞ」は富山県の五箇山から取り寄せているが、その後の製作はすべて金沢でやっているという.
見た目にはいろいろきれいな和傘が並べてあったが、松田さんに言わせるとまだまだ修行が足りないと言う。
いずれにしても金沢の貴重な伝統工芸をいつまでも続けていってもらいたいものである。



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